●誰も引いてはならぬ 女装男子研究本(全文無料公開)
下記の文章は、2010年8月15日、コミックマーケット78で発表した『誰も引いてはならぬ 女装男子研究本』の全文です。(図解、挿絵除く)
図解、挿絵の入った完全版の冊子を希望される方は、ぜひ COMIC ZINによる委託販売 をご利用ください。
■オトコの娘の世界へようこそ。出口はありません。(はじめに)
こんにちは、みちろうです。この本がコミックマーケットのサークルスペースに新刊として鎮座しているとしたら、恐らく手に取った方は「なんでやねん」と思うかもしれません(汗。そもそも本来出す予定だったカメラ小僧シリーズの新刊が準備号で、なんでこんな本が代わりに出てると疑問にお思いでしょう。まぁ、もともとどちらも書く予定で、向こうの企画の完成度がどうしても間に合わなかったとご理解下さい。女装してお詫びします(イミフ。
というワケで番外企画の『女装男子研究』本です。あまり説明はいらないですね。自分が女装コスプレしてみようと思い立ち、せっかくなのでそれについてのドタバタ顛末を本にしてみました。ノウハウ本として書いたところで誰も喜ばないと思うので、自分が自爆好きの変態紳士だということを延々と語り尽くそうと思います(終。
この本の構成は実にシンプルです。何かの役立つ内容というよりは「その時、女装男子もとい『オトコの娘』としてどう感じたか」をエッセイのように書いています。短い文章の寄せ集めなので、どこから読んでも面白おかしく楽しめると思います。
昨年の初冬あたりからずっと女装コスプレの準備はしていたのですが、奇しくも今年は『オトコの娘』ブーム(汗。気が付いたら時流に乗っかっちゃってました(汗。こんなタイミングでこんな本を出していいのかしら? 絶対黒歴史ですよね(死。10年くらい経ってから「昔こんな本出してましたよね〜」なんてこの本出されたら確実に死ねるので、この本を手に取ったアナタ、家に帰って面白おかしく読み終わったらどうかこの本を焚書して下さい(コラ。それだけが私の願いです。
2010年8月15日 コミックマーケット78にて
みちろう@魔理沙コス
というワケで番外企画の『女装男子研究』本です。あまり説明はいらないですね。自分が女装コスプレしてみようと思い立ち、せっかくなのでそれについてのドタバタ顛末を本にしてみました。ノウハウ本として書いたところで誰も喜ばないと思うので、自分が自爆好きの変態紳士だということを延々と語り尽くそうと思います(終。
この本の構成は実にシンプルです。何かの役立つ内容というよりは「その時、女装男子もとい『オトコの娘』としてどう感じたか」をエッセイのように書いています。短い文章の寄せ集めなので、どこから読んでも面白おかしく楽しめると思います。
昨年の初冬あたりからずっと女装コスプレの準備はしていたのですが、奇しくも今年は『オトコの娘』ブーム(汗。気が付いたら時流に乗っかっちゃってました(汗。こんなタイミングでこんな本を出していいのかしら? 絶対黒歴史ですよね(死。10年くらい経ってから「昔こんな本出してましたよね〜」なんてこの本出されたら確実に死ねるので、この本を手に取ったアナタ、家に帰って面白おかしく読み終わったらどうかこの本を焚書して下さい(コラ。それだけが私の願いです。
2010年8月15日 コミックマーケット78にて
みちろう@魔理沙コス
■目次
オトコの娘の世界へようこそ。出口はありません。(はじめに)
そもそもなんで女装コスプレしようと思ったか
で、女性に見えるためにあれこれ考えたこと
やりたいキャラで出来るコスを探したら魔理沙になった
3ヶ月で13kg痩せてしまったダイエット法
2回ほど病院送りになりました(泣。
『スカート』と『スネ毛』の組み合わせは女装の象徴…んなこたーない
生まれて初めて行った化粧品売り場
ボン!キュッ!ボン!のスリーサイズを攻略する
コスプレ買い出し紀行──中国とアメリカまで
メイクを覚えるため女装サロンに行きました
多くのイベントで女装が禁止されてる理由
性的倒錯した変態紳士たちによる本気の遊び場
トゥーランドット姫の滑稽さに思いを馳せる…。(おわりに)
参考文献
奥付
そもそもなんで女装コスプレしようと思ったか
で、女性に見えるためにあれこれ考えたこと
やりたいキャラで出来るコスを探したら魔理沙になった
3ヶ月で13kg痩せてしまったダイエット法
2回ほど病院送りになりました(泣。
『スカート』と『スネ毛』の組み合わせは女装の象徴…んなこたーない
生まれて初めて行った化粧品売り場
ボン!キュッ!ボン!のスリーサイズを攻略する
コスプレ買い出し紀行──中国とアメリカまで
メイクを覚えるため女装サロンに行きました
多くのイベントで女装が禁止されてる理由
性的倒錯した変態紳士たちによる本気の遊び場
トゥーランドット姫の滑稽さに思いを馳せる…。(おわりに)
参考文献
奥付
■そもそもなんでコスプレ女装しようと思ったか
去年の夏、ある二つの事件が起こった。今振り返ればそれが今回コスプレをしようと思い至ったきっかけだったと思う。
一つはコミケ期間中の会場内男子トイレのなかで、飛びっきり美人の霧雨魔理沙に出会ったことだ(ああ、もうこの時点で終わってる…)。一瞬「うわ〜綺麗な魔理沙たんだな〜」完全に美女と認識しかけ、いや待て!ここは男子トイレだ!と首をぶるんぶるん振る始末(汗。いや、本当に美しい、まったく女性にしか見えない女装コスプレだったのだ。その時自分はいわゆる「大きい方」の待ち行列に並んでいて、彼女…じゃなかった彼は(汗、自分のすぐ後ろに並んでいた。
トイレ内は個室が全部埋まっていたものの、小便器の方は回転が速いこともありいくつかが空いていた。魔理沙コスの人は中の状況がまだ見えない位置に並んでいたこともあり、列の前の方から善意で「もしオシッコで並んでるなら、小便器は空いてますよ〜」という声が掛かる。けれども当の魔理沙は苦笑を交え「いやー、このカッコで立ちションはまずいぜー」との粋な返しで一同爆笑に(汗。そりゃそうだ。どう見ても女の子なのにスカートたくし上げて立ちションを始めたら衝撃的な光景だろう。だが並んでる男どもは「いや、あえてアリだろ」「魔理沙にキノコが生えたらまずいっしょ」「リアルなフタナリを見られるのは男子の特権かもしれん」というワケのわからない会話に発展(汗。「リアルなフタナリは男子の特権」この言葉にある種の衝撃を受けたのだった。
もう一つのきっかけはサークル参加だった3日目。お隣のサークルさんに美しいコスプレイヤーの売り子さんがやってきたことだ。
初めてのサークル参加で戸惑いながらも準備をしていると、お隣にメイド服の女性がやって来るではないですか奥さん!成り行きでお互い「本日はよろしくお願いします」と挨拶をすることに。メイドさんはサークル代表の方ではなく、依頼されて売り子としてやってきた方とのこと。そっかー、コスプレイヤーさんに看板娘として売り子をお願いする方法があるのか、とここで改めて認識したのだった。サークル活動が軌道に乗り始めたらメイドさんに売り子をしてもらうのもいいな〜とぼんやり考え始めた。
その後サークルに関わる何人かにこの話をしたら皆「いいね!メイドさんを売り子にしよう」と乗り気になった。だがここでサークルの代表として改めて考えてみる。まだまだウチは無名サークルだ。メイドが売り子をしたとして、本当に頒布促進の効果はあるだろうか? 正直な話、依頼するとしたらそれなりの謝礼はきちんとお出ししなければならない。冷静に費用対効果を考えたとき、自分が同人誌を買う立場だったら「美人のメイドさんがいるからサークルに遊びに来てね♪」と言われても効果が薄いのではないだろうか、と周りの乗り気に対して自分は割と疑問に感じてしまったのだ。
では皆がサークルに買いに来る動機になるような、何か効果的な宣伝方法はないか?と考えたときに、何故か脳内でシナプスがあらぬ方向に繋がるという悲劇が起こった。そうだ!自分がコスプレをしたらみんな面白がって見に来るじゃないか!どうせコスプレするんだ!女性キャラで飛びっきりの美女になって驚かせよう!──嗚呼、今考えればロクでもない方向に(汗。
それにこんなバカ騒ぎは若いうちにしか出来ない、という思いも少なからずあった。やらずに後悔するよりやって清々しい失敗を迎えよう!やるなら20代の今だ!オッサンになってしまってからでは遅い!今までも自分の人生は挑戦せずに後悔してきたことだらけじゃないか!今ここで自分の殻を破らなくてどうする!変えるんだ!自分を!女装は大人になるための通過儀礼なのだ!元服なのだ!成人式なのだ!という救いようのないドーパミンが分泌し始めてしまった。時既に遅し。
実際、世の中でこじれている問題の大半は「当事者の躊躇」が引っかかってるだけに過ぎない。逆に言えば、ある種の損切りの決断と覚悟が据われば問題の半分以上は解決できたようなものだ。これ世の中の道理。一度スイッチが入ってしまえば自分のやるべきことは全部見えてくる。あとは行動するだけだ。残りは技術的な問題に過ぎない。こうして自分の女装コスプレ計画はスタートを迎えたのだった…。
一つはコミケ期間中の会場内男子トイレのなかで、飛びっきり美人の霧雨魔理沙に出会ったことだ(ああ、もうこの時点で終わってる…)。一瞬「うわ〜綺麗な魔理沙たんだな〜」完全に美女と認識しかけ、いや待て!ここは男子トイレだ!と首をぶるんぶるん振る始末(汗。いや、本当に美しい、まったく女性にしか見えない女装コスプレだったのだ。その時自分はいわゆる「大きい方」の待ち行列に並んでいて、彼女…じゃなかった彼は(汗、自分のすぐ後ろに並んでいた。
トイレ内は個室が全部埋まっていたものの、小便器の方は回転が速いこともありいくつかが空いていた。魔理沙コスの人は中の状況がまだ見えない位置に並んでいたこともあり、列の前の方から善意で「もしオシッコで並んでるなら、小便器は空いてますよ〜」という声が掛かる。けれども当の魔理沙は苦笑を交え「いやー、このカッコで立ちションはまずいぜー」との粋な返しで一同爆笑に(汗。そりゃそうだ。どう見ても女の子なのにスカートたくし上げて立ちションを始めたら衝撃的な光景だろう。だが並んでる男どもは「いや、あえてアリだろ」「魔理沙にキノコが生えたらまずいっしょ」「リアルなフタナリを見られるのは男子の特権かもしれん」というワケのわからない会話に発展(汗。「リアルなフタナリは男子の特権」この言葉にある種の衝撃を受けたのだった。
もう一つのきっかけはサークル参加だった3日目。お隣のサークルさんに美しいコスプレイヤーの売り子さんがやってきたことだ。
初めてのサークル参加で戸惑いながらも準備をしていると、お隣にメイド服の女性がやって来るではないですか奥さん!成り行きでお互い「本日はよろしくお願いします」と挨拶をすることに。メイドさんはサークル代表の方ではなく、依頼されて売り子としてやってきた方とのこと。そっかー、コスプレイヤーさんに看板娘として売り子をお願いする方法があるのか、とここで改めて認識したのだった。サークル活動が軌道に乗り始めたらメイドさんに売り子をしてもらうのもいいな〜とぼんやり考え始めた。
その後サークルに関わる何人かにこの話をしたら皆「いいね!メイドさんを売り子にしよう」と乗り気になった。だがここでサークルの代表として改めて考えてみる。まだまだウチは無名サークルだ。メイドが売り子をしたとして、本当に頒布促進の効果はあるだろうか? 正直な話、依頼するとしたらそれなりの謝礼はきちんとお出ししなければならない。冷静に費用対効果を考えたとき、自分が同人誌を買う立場だったら「美人のメイドさんがいるからサークルに遊びに来てね♪」と言われても効果が薄いのではないだろうか、と周りの乗り気に対して自分は割と疑問に感じてしまったのだ。
では皆がサークルに買いに来る動機になるような、何か効果的な宣伝方法はないか?と考えたときに、何故か脳内でシナプスがあらぬ方向に繋がるという悲劇が起こった。そうだ!自分がコスプレをしたらみんな面白がって見に来るじゃないか!どうせコスプレするんだ!女性キャラで飛びっきりの美女になって驚かせよう!──嗚呼、今考えればロクでもない方向に(汗。
それにこんなバカ騒ぎは若いうちにしか出来ない、という思いも少なからずあった。やらずに後悔するよりやって清々しい失敗を迎えよう!やるなら20代の今だ!オッサンになってしまってからでは遅い!今までも自分の人生は挑戦せずに後悔してきたことだらけじゃないか!今ここで自分の殻を破らなくてどうする!変えるんだ!自分を!女装は大人になるための通過儀礼なのだ!元服なのだ!成人式なのだ!という救いようのないドーパミンが分泌し始めてしまった。時既に遅し。
実際、世の中でこじれている問題の大半は「当事者の躊躇」が引っかかってるだけに過ぎない。逆に言えば、ある種の損切りの決断と覚悟が据われば問題の半分以上は解決できたようなものだ。これ世の中の道理。一度スイッチが入ってしまえば自分のやるべきことは全部見えてくる。あとは行動するだけだ。残りは技術的な問題に過ぎない。こうして自分の女装コスプレ計画はスタートを迎えたのだった…。
■で、女性に見えるためにあれこれ考えたこと
女性キャラのコスプレ──要するに女装コスプレをすることに決めたのだけど、まずは女装とコスプレに関する基本的なことをそれぞれ踏まえなければならない。
必要だと感じ始めるとその情報には出会えるよう世の中よく出来ているもので、ある日近所の本屋で『オンナノコになりたい!』『オンナノコになりたい! コスプレ編』という2冊の書籍(ともに一迅社)を発見し、これ幸いと早速購入してしまった。今考えれば自宅最寄りにある馴染の個人書店で買うべき本ではなかったはずなのだが、その時はどうかしていた。ま、それはいいとして(いいのか。
さまざま調べた限り、女装を成功させるには「男性的特徴を隠し、女性的記号を身にまとう」という一言に尽きる。標準的な体型であっても、男女ではやはり身体的に異なる部分がある。おっぱいや生殖器という明確な部分に限らず、顔の彫りや輪郭、肩幅、ウエスト、腰回り、それに加えて身体全体の脂肪の付き方や肌のキメの細かさまで多岐にわたる。人は無意識的に「男性的な特徴」「女性的な特徴」を見る対象から見いだして相手の性別を判断している。要はそれをすっぽり隠し、性別判断を停止させた上で、「スカートをはいている」「可愛らしい服を着ている」「胸がある」「ウエストがくびれている」という女性を象徴する記号を前面に打ち出せばいいのである。
逆に言えば、男性的特徴を隠しきらないまま女性的記号を身にまとうと、見る人は無意識の中での性別判断に混乱する。相手を理解不能と判断し恐怖を感じてしまうのだ。要するに「キモイ人認定」となってしまう。スカートを穿いているのに足にスネ毛が生えている、胸があるのにヒゲも生えている、という具合だ。残念ながら「ウケ狙い」の女装ではそういう中途半端なものが少なくない。「女装=キモイ」の方程式が揺るがない確固たるものとして存在するのはそのためだ。
極論すれば着ぐるみですっぽり身体を隠してしまえば中の人間の性別はわからない。要は限りなく身体の特徴を隠しつつ、性別が目立たず表に出せる部分は出していくという消去法を実践していくこととなる。こうして考えていくと、次第にどこを出せてどこを隠さなければならないかが見えてくる。
「男性は直線的、女性は曲線的」とよくいわれているように、女性の身体はしなやかな曲線でメリハリのあるシルエットとなっている。全体的に脂肪に包まれて丸みを帯び、バストとヒップが大きく、ウエストは細く絞られている。逆に男性は身体に筋肉が付きやすく脂肪は少ないため、真っ直ぐな直線のシルエットとなる。また男性は肩や肘や膝などの関節で骨格のデコボコがそのまま出ているので、ゴツゴツした印象を受けやすい。
身体の特徴を上から順に見ていこう。まず肩が最初の難関となる。男性は第二次性徴期の過ごし方によって体格がガラッと変わってしまう。中高生時代に部活動でスポーツを本格的にやっていたとしたら、女性とは比較にならないほど広い肩幅が大きくなっているだろう。だとしたらそこでこの話は糸冬了。ジ・エンド、さよおならバイバイキンである。
幸か不幸か自分は思春期をずっと文化部で過ごし、体育の成績は常に2という運動オンチくんだったので、肩幅は男性としては小さい方だ。だがそれでも計測してみたら肩幅は41cmであった。ネットで女性の標準体型の数値を調べてみると平均39cmとあり、約2cmほど大きい。やはり見た目の印象は変わってくる。それに女性の肩は脂肪で骨格の形が隠されて丸みを帯びており、基本的に撫で肩の華奢なシルエットである。結局のところ女装を成功させるなら肩はすっぽり隠し、目立たないようにしておくべきだろう。
次に引っかかるのは骨盤である。ここは骨格における男女で最大の違いといっていい。男性の骨盤はコンパクトな漏斗型だが、女性は出産出来るように骨盤が広くなっているのだ。また男性の骨盤に比べ女性の骨盤は少し前方に傾いており、その結果お尻が出ているように見え、恥骨が引っ込んでいることで下腹部が少し張り出しているように見える。結果的に腰回りは横から見ると綺麗なS字ラインが形成され、これがボリュームある魅力的なヒップラインの原点となっている。
ウエストの位置の違いも踏まえておかねばなるまい。同じ身長体重の男女でも、男性は乳房が無い代わりに胸囲は女性のアンダーバストよりデカイ。女性は肋骨回りが円形に近いのに対して、男性は横に広がった楕円形だ。その上男性は骨盤が肋骨より狭いのでウエストラインが低く骨盤付近になる。男性のウエストラインは女性に比べて低いのだ。この状況で女性特有のウエストのくびれを作ろうとする場合、一番下の肋骨が一本邪魔となってしまう。ああこんな骨、抜いてしまいたい。女に生まれていればこんな苦労をしなくて済むのに(謎。きっと女装男子は全員同じ悩みを持っているはずだ(ぉ。
最後に脚部だが、男女差としては膝のゴツゴツと足の大きさが問題となる。しかし自分のケースに限ってここは無視出来るだろう。何の自慢にもならないが自分の足のサイズは24cmなのだ。女性の靴も難なく穿けてしまう。さすがにワイズはEEEでなければならないが。
整理すると、肩幅、ウエスト周り、各関節のゴツゴツ感をカバーしつつ女性の曲線的シルエットを作っていくことになる。結局のところ、女装をするためには骨格が永遠の課題なのだ。どんなに美形に女顔に生まれようと、男性特有の骨格は避けることの出来ない問題である。どこでこだわり、どこで妥協するかはオトコの娘一人ひとりの考えどころだ。
他にも女性にはない男性的な特徴は存在する。筆頭としてヒゲやスネ毛などのムダ毛処理は必須だ。これは女装以前にコスプレをする上でのマナーだろう。ファンとしてキャラになりきるのなら、そのキャラに対しての最低限の敬意を表すべきだと(個人的には)思う。という訳で人生初の脱毛も覚悟せねばなるまい。
また、透き通った白い肌は女性の象徴だろう。男性の肌の色はやはり女性より地黒な傾向があり、目立たなく工夫するが必要がある。特に自分は去年の夏にがっつり両腕を日焼けさせてしまった。スポーツマンほどではないが、二の腕の焼け跡はTシャツの境界がわかるくらいくっきりと残ってしまっている。そういう訳でスキンケアや美白活動も進めていくこととしよう。これらに関しては後の章で改めて書いていく。
全体のシルエットとして身長の高さも考慮に入れた方がいいだろう。女性の平均身長はおよそ160cmだが、さすがに身長はどうにもならない。ちなみに自分は170cmだ。頭一つ分背が高くなる。だがこれは全体的なアスペクト比のバランスを考慮すれば目立たなくすることが可能だ。
例えばどうしても肩幅が大きく、それを隠したい場合は「敢えてハイヒールを履く」というテクニックがある。どういうことか。ハイヒールを履くことで背が高くなり、全体のシルエットの縦幅が長くなる。縦幅が長くなれば相対的に横幅が目立たなくなり、肩幅を小さく錯覚させることが出来るのだ。これは男性の女装では諸刃の剣ではあるが、逆に適正なシルエットの縦横比(アスペクト比)を構築することが出来れば、身長の高さを目立たなくすることも意味している。試行錯誤は必要だろうが、横に広がるパニエや丈の長いフレアスカートなどのあるコスチュームなら身長をカバーすることが可能だろう。
また男性特有の体格の大きさ、手足の太さも色彩心理を利用すれば多少目立たなくさせる方法がある。最近の女性ファッションではレギンスが流行しているが、これは黒いタイツやストッキングは足を細く長く見せる効果があるからだ。基本的に白色系の淡い色は拡張色として心理的に「軽く・太く・大きく」見せる効果があり、逆に黒色系の濃い色は対象を「重く・細く・小さく」見せる効果がある。
これらはほんの一例だが、調べていく内に女性として美しく見せるための錯覚トリックは実はたくさんあることがわかってきた。普通の男性からしてみれば詐欺だらけの世界かもしれないが、オトコの娘としては変身魔法の宝庫そのものといえる。これらを利用しない手はない。次章からはこの基礎理論を踏まえた実践記録を書いていくこととしよう。
…で、今気が付いたらかなり解説書っぽい書き方になってしまった(汗。誰が喜ぶんだこんなノウハウ文章(苦笑。
必要だと感じ始めるとその情報には出会えるよう世の中よく出来ているもので、ある日近所の本屋で『オンナノコになりたい!』『オンナノコになりたい! コスプレ編』という2冊の書籍(ともに一迅社)を発見し、これ幸いと早速購入してしまった。今考えれば自宅最寄りにある馴染の個人書店で買うべき本ではなかったはずなのだが、その時はどうかしていた。ま、それはいいとして(いいのか。
さまざま調べた限り、女装を成功させるには「男性的特徴を隠し、女性的記号を身にまとう」という一言に尽きる。標準的な体型であっても、男女ではやはり身体的に異なる部分がある。おっぱいや生殖器という明確な部分に限らず、顔の彫りや輪郭、肩幅、ウエスト、腰回り、それに加えて身体全体の脂肪の付き方や肌のキメの細かさまで多岐にわたる。人は無意識的に「男性的な特徴」「女性的な特徴」を見る対象から見いだして相手の性別を判断している。要はそれをすっぽり隠し、性別判断を停止させた上で、「スカートをはいている」「可愛らしい服を着ている」「胸がある」「ウエストがくびれている」という女性を象徴する記号を前面に打ち出せばいいのである。
逆に言えば、男性的特徴を隠しきらないまま女性的記号を身にまとうと、見る人は無意識の中での性別判断に混乱する。相手を理解不能と判断し恐怖を感じてしまうのだ。要するに「キモイ人認定」となってしまう。スカートを穿いているのに足にスネ毛が生えている、胸があるのにヒゲも生えている、という具合だ。残念ながら「ウケ狙い」の女装ではそういう中途半端なものが少なくない。「女装=キモイ」の方程式が揺るがない確固たるものとして存在するのはそのためだ。
極論すれば着ぐるみですっぽり身体を隠してしまえば中の人間の性別はわからない。要は限りなく身体の特徴を隠しつつ、性別が目立たず表に出せる部分は出していくという消去法を実践していくこととなる。こうして考えていくと、次第にどこを出せてどこを隠さなければならないかが見えてくる。
「男性は直線的、女性は曲線的」とよくいわれているように、女性の身体はしなやかな曲線でメリハリのあるシルエットとなっている。全体的に脂肪に包まれて丸みを帯び、バストとヒップが大きく、ウエストは細く絞られている。逆に男性は身体に筋肉が付きやすく脂肪は少ないため、真っ直ぐな直線のシルエットとなる。また男性は肩や肘や膝などの関節で骨格のデコボコがそのまま出ているので、ゴツゴツした印象を受けやすい。
身体の特徴を上から順に見ていこう。まず肩が最初の難関となる。男性は第二次性徴期の過ごし方によって体格がガラッと変わってしまう。中高生時代に部活動でスポーツを本格的にやっていたとしたら、女性とは比較にならないほど広い肩幅が大きくなっているだろう。だとしたらそこでこの話は糸冬了。ジ・エンド、さよおならバイバイキンである。
幸か不幸か自分は思春期をずっと文化部で過ごし、体育の成績は常に2という運動オンチくんだったので、肩幅は男性としては小さい方だ。だがそれでも計測してみたら肩幅は41cmであった。ネットで女性の標準体型の数値を調べてみると平均39cmとあり、約2cmほど大きい。やはり見た目の印象は変わってくる。それに女性の肩は脂肪で骨格の形が隠されて丸みを帯びており、基本的に撫で肩の華奢なシルエットである。結局のところ女装を成功させるなら肩はすっぽり隠し、目立たないようにしておくべきだろう。
次に引っかかるのは骨盤である。ここは骨格における男女で最大の違いといっていい。男性の骨盤はコンパクトな漏斗型だが、女性は出産出来るように骨盤が広くなっているのだ。また男性の骨盤に比べ女性の骨盤は少し前方に傾いており、その結果お尻が出ているように見え、恥骨が引っ込んでいることで下腹部が少し張り出しているように見える。結果的に腰回りは横から見ると綺麗なS字ラインが形成され、これがボリュームある魅力的なヒップラインの原点となっている。
ウエストの位置の違いも踏まえておかねばなるまい。同じ身長体重の男女でも、男性は乳房が無い代わりに胸囲は女性のアンダーバストよりデカイ。女性は肋骨回りが円形に近いのに対して、男性は横に広がった楕円形だ。その上男性は骨盤が肋骨より狭いのでウエストラインが低く骨盤付近になる。男性のウエストラインは女性に比べて低いのだ。この状況で女性特有のウエストのくびれを作ろうとする場合、一番下の肋骨が一本邪魔となってしまう。ああこんな骨、抜いてしまいたい。女に生まれていればこんな苦労をしなくて済むのに(謎。きっと女装男子は全員同じ悩みを持っているはずだ(ぉ。
最後に脚部だが、男女差としては膝のゴツゴツと足の大きさが問題となる。しかし自分のケースに限ってここは無視出来るだろう。何の自慢にもならないが自分の足のサイズは24cmなのだ。女性の靴も難なく穿けてしまう。さすがにワイズはEEEでなければならないが。
整理すると、肩幅、ウエスト周り、各関節のゴツゴツ感をカバーしつつ女性の曲線的シルエットを作っていくことになる。結局のところ、女装をするためには骨格が永遠の課題なのだ。どんなに美形に女顔に生まれようと、男性特有の骨格は避けることの出来ない問題である。どこでこだわり、どこで妥協するかはオトコの娘一人ひとりの考えどころだ。
他にも女性にはない男性的な特徴は存在する。筆頭としてヒゲやスネ毛などのムダ毛処理は必須だ。これは女装以前にコスプレをする上でのマナーだろう。ファンとしてキャラになりきるのなら、そのキャラに対しての最低限の敬意を表すべきだと(個人的には)思う。という訳で人生初の脱毛も覚悟せねばなるまい。
また、透き通った白い肌は女性の象徴だろう。男性の肌の色はやはり女性より地黒な傾向があり、目立たなく工夫するが必要がある。特に自分は去年の夏にがっつり両腕を日焼けさせてしまった。スポーツマンほどではないが、二の腕の焼け跡はTシャツの境界がわかるくらいくっきりと残ってしまっている。そういう訳でスキンケアや美白活動も進めていくこととしよう。これらに関しては後の章で改めて書いていく。
全体のシルエットとして身長の高さも考慮に入れた方がいいだろう。女性の平均身長はおよそ160cmだが、さすがに身長はどうにもならない。ちなみに自分は170cmだ。頭一つ分背が高くなる。だがこれは全体的なアスペクト比のバランスを考慮すれば目立たなくすることが可能だ。
例えばどうしても肩幅が大きく、それを隠したい場合は「敢えてハイヒールを履く」というテクニックがある。どういうことか。ハイヒールを履くことで背が高くなり、全体のシルエットの縦幅が長くなる。縦幅が長くなれば相対的に横幅が目立たなくなり、肩幅を小さく錯覚させることが出来るのだ。これは男性の女装では諸刃の剣ではあるが、逆に適正なシルエットの縦横比(アスペクト比)を構築することが出来れば、身長の高さを目立たなくすることも意味している。試行錯誤は必要だろうが、横に広がるパニエや丈の長いフレアスカートなどのあるコスチュームなら身長をカバーすることが可能だろう。
また男性特有の体格の大きさ、手足の太さも色彩心理を利用すれば多少目立たなくさせる方法がある。最近の女性ファッションではレギンスが流行しているが、これは黒いタイツやストッキングは足を細く長く見せる効果があるからだ。基本的に白色系の淡い色は拡張色として心理的に「軽く・太く・大きく」見せる効果があり、逆に黒色系の濃い色は対象を「重く・細く・小さく」見せる効果がある。
これらはほんの一例だが、調べていく内に女性として美しく見せるための錯覚トリックは実はたくさんあることがわかってきた。普通の男性からしてみれば詐欺だらけの世界かもしれないが、オトコの娘としては変身魔法の宝庫そのものといえる。これらを利用しない手はない。次章からはこの基礎理論を踏まえた実践記録を書いていくこととしよう。
…で、今気が付いたらかなり解説書っぽい書き方になってしまった(汗。誰が喜ぶんだこんなノウハウ文章(苦笑。
■やりたいキャラで出来るコスを探したら魔理沙になった
男性がオトコの娘をする上で、まず最初に考えなければならないことがある。「何のためにやるか(目的)」「何が出来れば成功とするか(目標)」の二つだ。知的好奇心と倒錯フィティシズムだけで何となく活動を始めてしまうと、ただ単に痛々しいだけで「こんなはずじゃなかった…」という精神的ダメージは相当なものとなる。何をすれば自分が満足するのか、どこまで出来れば自分の活動を肯定出来るのかは最低限明確にしておかなければならない。でないと死ぬる(汗。
もう一度確認すると、今回の女装コスプレの目的はコミケで売り子パフォーマンスをすることである。サークルスペースにお越し頂いた方々へのささやかなサプライズだ。まぁキモさ炸裂で迷惑千万なのは確実ではあるが(汗、つまるところ自分自身がその反応を楽しむところにある。オイオイとツッコミが聞こえてきそうだが、それが本心だ。副次的に怪しい世界への知的好奇心もある。いや、恥的好奇心かしら? いやいや痴的好奇心かもしれん(知るか。
またどうせやるなら「女装ではなく女性に見えるレベル」を目指したいところだが、実際はかなり難しい目標設定だということを最初から覚悟しておかなければならないだろう…と思う。自分で男性のなかでは小柄な方だとは思っているが、やはり初めての経験だ。大失敗を前提に心の準備はしておきたい(大汗。うむ。初見の数秒間「ん?女性?」と誤解させることが出来れば、こちらの思惑は概ね達成ということにする。知り合いからのドン引きは覚悟の上だが、最終的に苦笑という反応に昇華できればそれでいい。
というワケで、コスプレをするキャラの選択である。前の章で確認した通り、コスチュームで男性としての特徴を隠すことは必須条件である。幸いコスプレ衣装は女性の一般私服(デート服)と異なり、コスチュームの派手な外見は身体的な特徴をある程度目立たなくしてくれる効果がある。だがその反面、ゲームやアニメの女性キャラクターのコスチュームは、多くの場合身体のラインが丸見えで肌の露出が多い。一般的に女性が女性キャラのコスプレをする場合であればこれで都合が良いのだろう。チャイナドレスのような身体のラインがくっきり出る衣装は、女性の身体の魅力を最大限引き出すことが出来る。またミニスカートのコスチュームはコスプレイヤー本人が持つ脚線美がそのまま武器になる。男性が女装コスプレをする場合はそれがそのまま選べない制約となるのだ。
何が言いたいかというと、美しい女装を目指すなら『初音ミク』は端っから諦めなければならないということだ(爆。うん、一瞬「ミクやりたいな」と検討しかけ、次の瞬間首を振った(汗。あれは無理だ。
髪形がツインテールで顔の輪郭が隠せないというのもあるが、まず肩が出ているので肩幅をどうにもこうにも隠しようがない。上半身は身体にピッタリしたノースリーブベスト、男性特有の広い胸囲が丸見えとなり華奢を演出出来ない。下半身はミニスカートで脚のゴツさを隠せない。まぁ余興でネギを振り回すなら悪くないかも知れないが、今回のコンセプトからは外れてしまう。却下。
身体を完全にすっぽり隠しつつ、女性的な可愛らしさを演出出来るコスチュームといえば、『ローゼンメイデン』の水銀燈あたりは悪くない選択肢だ。あれなら肩も手足も隠しつつ、女性的な記号を身にまとうことが出来る。事実ネットでは美しい水銀燈のオトコの娘の写真をたくさん見かけることが出来る。
だが今回やるのが夏コミであることを考えると、やはりあのボリュームのある衣装は現実的ではないだろう。汗で化粧直しも大変なのは容易に想像出来るし、熱中症で倒れてアンニュイなまま救急車で病院搬送となったら目も当てられない。今回は見送り。
よくよく考えれば男装女装関係なく初めてのコスプレだ。コスプレイヤーとしてのデビューなのだ。あまり内容の知らない作品のコスプレをするのも失礼だろうし、やるなら好きな作品の好きなキャラでコスプレをしたい。いろいろ考えた結果、ここはやはり原作を遊び倒している『東方Project』かなぁという結論に。原作では普段博麗霊夢使いのシューターだが、霊夢はワキ巫女であり初音ミクと同じ理由で却下。というワケで自然とやるべきコスプレは霧雨魔理沙に落ち着いたのだった。
改めて見てみると「普通の魔法使い」という設定の霧雨魔理沙は、女装コスプレをする上で非常に都合が良い。アリスメイドチックな衣装は男性のシルエットを適度に隠してくれる。また帽子とカールの入った髪形は身長と顔の輪郭を目立たなくしてくれる。ついでにいえばキャラ自身の男勝りな性格は、男性が女装コスプレする上での心理的な敷居が低い。『東方Project』に登場するほぼすべてのキャラは女性のはずなのだが、女性的というよりはどこか中性的な魅力があり、それ故東方キャラに扮するオトコの娘が多いのだろう。
もう一度確認すると、今回の女装コスプレの目的はコミケで売り子パフォーマンスをすることである。サークルスペースにお越し頂いた方々へのささやかなサプライズだ。まぁキモさ炸裂で迷惑千万なのは確実ではあるが(汗、つまるところ自分自身がその反応を楽しむところにある。オイオイとツッコミが聞こえてきそうだが、それが本心だ。副次的に怪しい世界への知的好奇心もある。いや、恥的好奇心かしら? いやいや痴的好奇心かもしれん(知るか。
またどうせやるなら「女装ではなく女性に見えるレベル」を目指したいところだが、実際はかなり難しい目標設定だということを最初から覚悟しておかなければならないだろう…と思う。自分で男性のなかでは小柄な方だとは思っているが、やはり初めての経験だ。大失敗を前提に心の準備はしておきたい(大汗。うむ。初見の数秒間「ん?女性?」と誤解させることが出来れば、こちらの思惑は概ね達成ということにする。知り合いからのドン引きは覚悟の上だが、最終的に苦笑という反応に昇華できればそれでいい。
というワケで、コスプレをするキャラの選択である。前の章で確認した通り、コスチュームで男性としての特徴を隠すことは必須条件である。幸いコスプレ衣装は女性の一般私服(デート服)と異なり、コスチュームの派手な外見は身体的な特徴をある程度目立たなくしてくれる効果がある。だがその反面、ゲームやアニメの女性キャラクターのコスチュームは、多くの場合身体のラインが丸見えで肌の露出が多い。一般的に女性が女性キャラのコスプレをする場合であればこれで都合が良いのだろう。チャイナドレスのような身体のラインがくっきり出る衣装は、女性の身体の魅力を最大限引き出すことが出来る。またミニスカートのコスチュームはコスプレイヤー本人が持つ脚線美がそのまま武器になる。男性が女装コスプレをする場合はそれがそのまま選べない制約となるのだ。
何が言いたいかというと、美しい女装を目指すなら『初音ミク』は端っから諦めなければならないということだ(爆。うん、一瞬「ミクやりたいな」と検討しかけ、次の瞬間首を振った(汗。あれは無理だ。
髪形がツインテールで顔の輪郭が隠せないというのもあるが、まず肩が出ているので肩幅をどうにもこうにも隠しようがない。上半身は身体にピッタリしたノースリーブベスト、男性特有の広い胸囲が丸見えとなり華奢を演出出来ない。下半身はミニスカートで脚のゴツさを隠せない。まぁ余興でネギを振り回すなら悪くないかも知れないが、今回のコンセプトからは外れてしまう。却下。
身体を完全にすっぽり隠しつつ、女性的な可愛らしさを演出出来るコスチュームといえば、『ローゼンメイデン』の水銀燈あたりは悪くない選択肢だ。あれなら肩も手足も隠しつつ、女性的な記号を身にまとうことが出来る。事実ネットでは美しい水銀燈のオトコの娘の写真をたくさん見かけることが出来る。
だが今回やるのが夏コミであることを考えると、やはりあのボリュームのある衣装は現実的ではないだろう。汗で化粧直しも大変なのは容易に想像出来るし、熱中症で倒れてアンニュイなまま救急車で病院搬送となったら目も当てられない。今回は見送り。
よくよく考えれば男装女装関係なく初めてのコスプレだ。コスプレイヤーとしてのデビューなのだ。あまり内容の知らない作品のコスプレをするのも失礼だろうし、やるなら好きな作品の好きなキャラでコスプレをしたい。いろいろ考えた結果、ここはやはり原作を遊び倒している『東方Project』かなぁという結論に。原作では普段博麗霊夢使いのシューターだが、霊夢はワキ巫女であり初音ミクと同じ理由で却下。というワケで自然とやるべきコスプレは霧雨魔理沙に落ち着いたのだった。
改めて見てみると「普通の魔法使い」という設定の霧雨魔理沙は、女装コスプレをする上で非常に都合が良い。アリスメイドチックな衣装は男性のシルエットを適度に隠してくれる。また帽子とカールの入った髪形は身長と顔の輪郭を目立たなくしてくれる。ついでにいえばキャラ自身の男勝りな性格は、男性が女装コスプレする上での心理的な敷居が低い。『東方Project』に登場するほぼすべてのキャラは女性のはずなのだが、女性的というよりはどこか中性的な魅力があり、それ故東方キャラに扮するオトコの娘が多いのだろう。
■3ヶ月で13kg痩せてしまったダイエット法
さて、次にするべきことは、自分の身体を出来るだけ女性のシルエットに近付けていくことである。まずはダイエットだ。女装を決意した当初はまだなにも準備しておらず、思いっ切り怠惰な男性の体型だ。お腹の出てる71kg、明らかに太り過ぎである。
恐る恐るウエストも測ってみた。なんと80cm。最初に測ったときは女性の適正ウエストがどの程度かまったく知らず、計測時点ではまぁそんなものかと呑気なものだった。その後女性の理想体型の数値を調べて「マジかよ…」と青ざめた(汗。ちなみに最初の計測では間違って男性のウエストラインで測っていたことも明記しておく。メタボ検診でお馴染のおヘソの位置である。女性のウエストは肋骨のすぐ下の位置なので、その位置で測れば数cm短い数字だっただろう。
早速今年1月からダイエットを開始した。いうまでもないだろうが、ダイエットは有酸素運動が不可欠である。短時間の瞬発力ではなく、長時間全身を動かす運動が有効だ。ウォーキング、ジョギング、水泳など。何より長期にわたって継続しなければならない。
だが一方で体を鍛えてしまっては本末転倒だ。今回必要なのは脂肪で全身が丸みを帯びた女性的で小柄な体型だ。男性は運動すると簡単に筋肉が付いてしまう。身体の脂肪を燃焼して筋肉を付けてしまっては元も子もない。減って欲しいのはウエストの皮下脂肪「だけ」なのだ。ここが実にややこしいところだ。
水泳などは全身が鍛えられてしまい、何より肩幅が開いてしまうので絶対ダメ。ジョギングは体脂肪率が見る見るうちに下がってしまう。出来るならば上半身は一切鍛えなくて済み、かつ長時間身体を動かすことができて、長期間飽きずに続けられるものだ。というワケでまずは歩いてみることにした。
ウチではちょうど中型犬を飼っているので、長めの犬の散歩を毎日繰り返した。ニコニコ動画でDLした60〜80分の作業用BGMをiPodに入れて、ひたすら音楽を聴きながら歩く。ポイントは3つ。大股で腕を振って歩く。踵から踏み、足の裏全体で地を蹴るように歩く。歩くペースはやや速く、汗をかきながらも長距離続けられる速度で。こんな感じで毎日1曲を聞き終わるまで歩いた。
開始当初は冬だったのでコートを着ていたが、10分もすれば汗をかき始め30分後は背中が汗びっしょりになる。困ったことに一応犬の散歩なので、犬が立ち止まったときは自分も立ち止まらなければならない。真冬なので汗びっしょりで立ち止まると一瞬で全身が冷えてしまうのだ。これでは風邪を引いてしまう。試行錯誤の末、信号待ちや犬のマーキング待ちの際はその場で足踏みを止めずにするようになった。
運動に併せて食生活も見直した。まず朝食と昼食をしっかり摂る。夕食はご飯半分。間食は禁止。コーラやジュースの類はすべて『ヘルシア緑茶』に切り替え。加えて夜20時以降は食事をせず、水しか飲まない。禁酒、禁スナック菓子、禁カップ麺。炭水化物は敵だ!
ここまで読んで「そんなダイエット生活、長続きしないだろ」と思われるかも知れないが、これが簡単に出来てしまったのである。さらにいえば微塵も苦労と思わなかった。ロクでもない話だが「自分は女装するのだ」「オンナノコになるのだ」「私は霧雨魔理沙だぜ!フォー!(謎」と考えたら毎日が楽しくて楽しくて仕方がなかったのだ(終。日々喜んで体重計に乗るのが習慣になってしまったのである。
効果は驚くべきものだった。ダイエットを開始したのは1月からだが、毎週1kgペースでみるみる体重が減っていく。ひと月で5kg、次のひと月で4kg、3ヶ月目にはさらに4kgと一気に13kgも減り、気が付いたら58kgになっていた。もう深呼吸すれば肋骨が見えるレベルである。BMIでいえば20ジャストだ。
その後もそのままその生活を続けていった。さすがに男性で60kgを切ると痩せ気味の領域であり、減るペースはゆっくりしたものになった。だが、6月に56kgぐらいまで体重を落としてみると今度は逆にやせ過ぎの印象になってきた。何しろ身長は170cmのままなのである。手足の関節の脂肪が減って骨格のゴツゴツ感が出てしまってはそれはそれで本末転倒だ。というワケでまた多めに食べるよう生活を調節し60kg前後をキープするようになったのであった。なんというか、体重を上下させるのは実に簡単だった。
結論、女装ダイエット最強!痩せたい人はみんな女装すれば万事解決(ぉ。
恐る恐るウエストも測ってみた。なんと80cm。最初に測ったときは女性の適正ウエストがどの程度かまったく知らず、計測時点ではまぁそんなものかと呑気なものだった。その後女性の理想体型の数値を調べて「マジかよ…」と青ざめた(汗。ちなみに最初の計測では間違って男性のウエストラインで測っていたことも明記しておく。メタボ検診でお馴染のおヘソの位置である。女性のウエストは肋骨のすぐ下の位置なので、その位置で測れば数cm短い数字だっただろう。
早速今年1月からダイエットを開始した。いうまでもないだろうが、ダイエットは有酸素運動が不可欠である。短時間の瞬発力ではなく、長時間全身を動かす運動が有効だ。ウォーキング、ジョギング、水泳など。何より長期にわたって継続しなければならない。
だが一方で体を鍛えてしまっては本末転倒だ。今回必要なのは脂肪で全身が丸みを帯びた女性的で小柄な体型だ。男性は運動すると簡単に筋肉が付いてしまう。身体の脂肪を燃焼して筋肉を付けてしまっては元も子もない。減って欲しいのはウエストの皮下脂肪「だけ」なのだ。ここが実にややこしいところだ。
水泳などは全身が鍛えられてしまい、何より肩幅が開いてしまうので絶対ダメ。ジョギングは体脂肪率が見る見るうちに下がってしまう。出来るならば上半身は一切鍛えなくて済み、かつ長時間身体を動かすことができて、長期間飽きずに続けられるものだ。というワケでまずは歩いてみることにした。
ウチではちょうど中型犬を飼っているので、長めの犬の散歩を毎日繰り返した。ニコニコ動画でDLした60〜80分の作業用BGMをiPodに入れて、ひたすら音楽を聴きながら歩く。ポイントは3つ。大股で腕を振って歩く。踵から踏み、足の裏全体で地を蹴るように歩く。歩くペースはやや速く、汗をかきながらも長距離続けられる速度で。こんな感じで毎日1曲を聞き終わるまで歩いた。
開始当初は冬だったのでコートを着ていたが、10分もすれば汗をかき始め30分後は背中が汗びっしょりになる。困ったことに一応犬の散歩なので、犬が立ち止まったときは自分も立ち止まらなければならない。真冬なので汗びっしょりで立ち止まると一瞬で全身が冷えてしまうのだ。これでは風邪を引いてしまう。試行錯誤の末、信号待ちや犬のマーキング待ちの際はその場で足踏みを止めずにするようになった。
運動に併せて食生活も見直した。まず朝食と昼食をしっかり摂る。夕食はご飯半分。間食は禁止。コーラやジュースの類はすべて『ヘルシア緑茶』に切り替え。加えて夜20時以降は食事をせず、水しか飲まない。禁酒、禁スナック菓子、禁カップ麺。炭水化物は敵だ!
ここまで読んで「そんなダイエット生活、長続きしないだろ」と思われるかも知れないが、これが簡単に出来てしまったのである。さらにいえば微塵も苦労と思わなかった。ロクでもない話だが「自分は女装するのだ」「オンナノコになるのだ」「私は霧雨魔理沙だぜ!フォー!(謎」と考えたら毎日が楽しくて楽しくて仕方がなかったのだ(終。日々喜んで体重計に乗るのが習慣になってしまったのである。
効果は驚くべきものだった。ダイエットを開始したのは1月からだが、毎週1kgペースでみるみる体重が減っていく。ひと月で5kg、次のひと月で4kg、3ヶ月目にはさらに4kgと一気に13kgも減り、気が付いたら58kgになっていた。もう深呼吸すれば肋骨が見えるレベルである。BMIでいえば20ジャストだ。
その後もそのままその生活を続けていった。さすがに男性で60kgを切ると痩せ気味の領域であり、減るペースはゆっくりしたものになった。だが、6月に56kgぐらいまで体重を落としてみると今度は逆にやせ過ぎの印象になってきた。何しろ身長は170cmのままなのである。手足の関節の脂肪が減って骨格のゴツゴツ感が出てしまってはそれはそれで本末転倒だ。というワケでまた多めに食べるよう生活を調節し60kg前後をキープするようになったのであった。なんというか、体重を上下させるのは実に簡単だった。
結論、女装ダイエット最強!痩せたい人はみんな女装すれば万事解決(ぉ。
■2回ほど病院送りになりました(泣。
ダイエットの章で書いたが当初はウエストが80cmだった。理想をいえばこれを64cmにしたい。女性の理想体型でのウエストはアンダー60cmだが、そこまではさすがに無理だろう。それに身長差もある。身長170cmでウエスト59cmのシルエットは全体的にアンバランスな気持ち悪い外見となってしまう。その辺を考慮した上での数字だった。まぁ60cm台後半をキープ出来れば御の字だ。
実は当初、ウエストの脂肪を効率良く落とすのに散歩は間接的だと思えた。ウォーキングは全身運動なので全身の脂肪に効果がある。適正な体型となるように全身の脂肪がバランスよく燃焼していく。だが今回落としたいのはウエスト周りの皮下脂肪なのだ。そこでピンポイントでウエストを絞れるよう補助的なメニューを加えることにした。フラフープエクササイズである。
フラフープはウエストで回すので腰回りの筋肉を使うことになる。腹筋背筋を使うことでその筋肉周辺の脂肪を落とす効果があると考えたのだ。また直接フラフープの刺激がお腹に伝わることで、通販でよく見る脂肪燃焼ベルトと同じ効果も期待出来る。試さない手はない。というワケで1月の内にダイエット用フラフープ『フープノティカ』を購入した。
ダイエット用のフラフープは一回り大きく、回しやすいように少し重く設計されている。また自分が購入したものは初心者でもフラフープを始められるよう解説DVDが付いてきたので、難なく回すことが出来た。フラフープエクササイズも有酸素運動の一種なので、長時間続けることとなる。幸い回すだけならそれほど体力は要しないので、一度慣れてしまえば40〜60分回し続けることは簡単だった。
さてここからが問題である。散歩と違ってフラフープはヒマなのだ。前提としてフラフープは腰で回すと両腕を常にウエストより上の位置で持て余すことになる。かといって重心を意識し続けながら読書などには集中出来ない。そのうちフラフープそのものを自分なりにアレンジを加えて遊ぶようになった。
最初は解説DVDにあるターンやダンスをしていたが、そのうちフラフープしながらその辺をウロウロ歩くようになった。部屋がそれほど広い訳ではないので回しながら部屋を小さく一周する。ここで自分自身もターンしながら部屋を一周したら運動量が増えるのではないかと考え、名付けて「自転公転大作戦」をするようになった。フラフープの回転方向と部屋を一周する方向、加えて自分自身のターンの回転方向、それぞれ右回りと左回りの二通りがあり、全組み合わせは8通りになる。全部同じ回転方向なら容易だが、組み合わせによっては強く腰の回転を意識しないと難しいものもある。気が付くと肩でゼーハーゼーハー息をするような運動量だ。こりゃいいやと無茶なフラフープをするようになった。とにかく一刻も早く細いウエストになりたかったのだ。
だが、2月になって間も無い頃、すぐに腰の激痛に見舞われた。「自転公転大作戦」は腰への負担が尋常ではなかったのである。どうにもこうにも腰痛で身動きが取れず、泣く泣く整骨院に逝った。予想通り腰回りの背骨を中心に炎症となっていた。治療も何も冷やして炎症が引くのを待つしかない。フラフープは当分中止、散歩もしばらくは短い距離にするほかなかった。
さて、この整骨院では電気をビリビリ流して湿布を貼るというものだったが、そこで「日中はこれを付けていれば痛みが減りますよ」とゴム製の医療用コルセットを貰った。いや実際は健康保険で購入したのだが。
そうか、コルセットでウエストを締めるという方法があったか(違。これは僥倖だとばかりに、コルセットについてもネットで調べるようになった。性同一性障害(MTF)の方の女装テクニックのブログなどがかなり参考になった。コルセットは腰痛治療などの医療用のものと、女性がくびれを作るための体型矯正のものの2種類ある。後者は日常的に少し強めに締めて身に付けることにより、時間をかけて肋骨の位置を矯正していくものだ。残念ながらあまり国内では一般的ではなく、まともなコルセットを購入するには海外製のものを通販で買うしかない。しばらくは手元にあるこのコルセットで試してみよう。というわけで、腰痛が治ってからも日常的にコルセットを付け続けるようになった。
確かにコルセットを付けるとウエストは細くなる。2〜3cmは短くなるようだ。それ以上締めることも身体の構造上可能なようだったが、やはり息苦しく感じるので長時間は現実的ではない。またコルセットを付けて食事をすると食べ過ぎも抑制することが出来そうだ。こうして3月中はお風呂に入る時以外は常時コルセットを身に付ける生活を続けていた。
事件は3月下旬のことである。朝起きたら胸が痛いのだ。いや正確には肺の周りが痛い。最初は夢うつつに「なんかヘンだな」くらいの感覚だったが、目が覚めてくるにつれて「よくよく考えてみれば、胸が痛いのは非常事態だ」と思い至る。マラソンで横っ腹が痛くなる感覚がもっと激痛になった感じだ。春先にもかかわらず、額に汗する痛さだった。正直最初は心疾患かと大病発症を覚悟した。
痛みに耐えながら近所の医院に逝く。その間も胸の激痛は収まらない。痛い。呼吸の度に物凄く痛い。やっと診察になりお医者様に痛みを訴えるが、「ハテ、こんな症状は診たことがない」という反応。とにかく心電図とレントゲンをとってみましょうということになり、ヘロヘロになりながらも検査に回る。検査結果を眺めながら、やはりお医者様は「ハテ?」という反応。幸か不幸かどこにも異常は見当たらないらしい。健康そのもの。だがこちらは全身汗だくで胸(肺)が痛い。「そんなに痛い、か…」とツイートされても…。結局紹介状を書いてもらって大きな病院に逝くことに。
病院でも車イスに押されて同じように心電図、エコー、レントゲン、採血、採尿と検査のスタンプラリーをしていく。だがここでもお医者様の「ハテ?」を眺めることになった。やはり異常がない。それどころか全部問題なし大健康超健康の太鼓判。結局謎の痛みは夕方になるにつれて徐々に引いていき、しばらくは安静にしていたもののその日の内に帰宅することになった。
結局それ以降胸の痛みは一度も再発していない。痛みの原因は謎のままである。以下は医学的な見知のない自分の憶測だが、やはり急激な体重減少とコルセットによる内臓圧迫で肋骨周辺で炎症か何か起こっていたのかも知れない。医学では肋間神経痛という言葉もあるが、これかもしれないしそうでないかもしれない。自分としては、恐らく無茶なダイエットとコルセットの乱用によるものなのだろうと思う。本人は別に無茶をしていたわけではなく、楽しんで体重を落としたりウエストを細くする努力をしていたつもりなので「泣き面に蜂」という訳ではないのだが、まぁ身体が悲鳴を上げたことは大いに反省すべきだったとは思っている。無茶はしないようにしよう。身体は正直だ。うむ。
実は当初、ウエストの脂肪を効率良く落とすのに散歩は間接的だと思えた。ウォーキングは全身運動なので全身の脂肪に効果がある。適正な体型となるように全身の脂肪がバランスよく燃焼していく。だが今回落としたいのはウエスト周りの皮下脂肪なのだ。そこでピンポイントでウエストを絞れるよう補助的なメニューを加えることにした。フラフープエクササイズである。
フラフープはウエストで回すので腰回りの筋肉を使うことになる。腹筋背筋を使うことでその筋肉周辺の脂肪を落とす効果があると考えたのだ。また直接フラフープの刺激がお腹に伝わることで、通販でよく見る脂肪燃焼ベルトと同じ効果も期待出来る。試さない手はない。というワケで1月の内にダイエット用フラフープ『フープノティカ』を購入した。
ダイエット用のフラフープは一回り大きく、回しやすいように少し重く設計されている。また自分が購入したものは初心者でもフラフープを始められるよう解説DVDが付いてきたので、難なく回すことが出来た。フラフープエクササイズも有酸素運動の一種なので、長時間続けることとなる。幸い回すだけならそれほど体力は要しないので、一度慣れてしまえば40〜60分回し続けることは簡単だった。
さてここからが問題である。散歩と違ってフラフープはヒマなのだ。前提としてフラフープは腰で回すと両腕を常にウエストより上の位置で持て余すことになる。かといって重心を意識し続けながら読書などには集中出来ない。そのうちフラフープそのものを自分なりにアレンジを加えて遊ぶようになった。
最初は解説DVDにあるターンやダンスをしていたが、そのうちフラフープしながらその辺をウロウロ歩くようになった。部屋がそれほど広い訳ではないので回しながら部屋を小さく一周する。ここで自分自身もターンしながら部屋を一周したら運動量が増えるのではないかと考え、名付けて「自転公転大作戦」をするようになった。フラフープの回転方向と部屋を一周する方向、加えて自分自身のターンの回転方向、それぞれ右回りと左回りの二通りがあり、全組み合わせは8通りになる。全部同じ回転方向なら容易だが、組み合わせによっては強く腰の回転を意識しないと難しいものもある。気が付くと肩でゼーハーゼーハー息をするような運動量だ。こりゃいいやと無茶なフラフープをするようになった。とにかく一刻も早く細いウエストになりたかったのだ。
だが、2月になって間も無い頃、すぐに腰の激痛に見舞われた。「自転公転大作戦」は腰への負担が尋常ではなかったのである。どうにもこうにも腰痛で身動きが取れず、泣く泣く整骨院に逝った。予想通り腰回りの背骨を中心に炎症となっていた。治療も何も冷やして炎症が引くのを待つしかない。フラフープは当分中止、散歩もしばらくは短い距離にするほかなかった。
さて、この整骨院では電気をビリビリ流して湿布を貼るというものだったが、そこで「日中はこれを付けていれば痛みが減りますよ」とゴム製の医療用コルセットを貰った。いや実際は健康保険で購入したのだが。
そうか、コルセットでウエストを締めるという方法があったか(違。これは僥倖だとばかりに、コルセットについてもネットで調べるようになった。性同一性障害(MTF)の方の女装テクニックのブログなどがかなり参考になった。コルセットは腰痛治療などの医療用のものと、女性がくびれを作るための体型矯正のものの2種類ある。後者は日常的に少し強めに締めて身に付けることにより、時間をかけて肋骨の位置を矯正していくものだ。残念ながらあまり国内では一般的ではなく、まともなコルセットを購入するには海外製のものを通販で買うしかない。しばらくは手元にあるこのコルセットで試してみよう。というわけで、腰痛が治ってからも日常的にコルセットを付け続けるようになった。
確かにコルセットを付けるとウエストは細くなる。2〜3cmは短くなるようだ。それ以上締めることも身体の構造上可能なようだったが、やはり息苦しく感じるので長時間は現実的ではない。またコルセットを付けて食事をすると食べ過ぎも抑制することが出来そうだ。こうして3月中はお風呂に入る時以外は常時コルセットを身に付ける生活を続けていた。
事件は3月下旬のことである。朝起きたら胸が痛いのだ。いや正確には肺の周りが痛い。最初は夢うつつに「なんかヘンだな」くらいの感覚だったが、目が覚めてくるにつれて「よくよく考えてみれば、胸が痛いのは非常事態だ」と思い至る。マラソンで横っ腹が痛くなる感覚がもっと激痛になった感じだ。春先にもかかわらず、額に汗する痛さだった。正直最初は心疾患かと大病発症を覚悟した。
痛みに耐えながら近所の医院に逝く。その間も胸の激痛は収まらない。痛い。呼吸の度に物凄く痛い。やっと診察になりお医者様に痛みを訴えるが、「ハテ、こんな症状は診たことがない」という反応。とにかく心電図とレントゲンをとってみましょうということになり、ヘロヘロになりながらも検査に回る。検査結果を眺めながら、やはりお医者様は「ハテ?」という反応。幸か不幸かどこにも異常は見当たらないらしい。健康そのもの。だがこちらは全身汗だくで胸(肺)が痛い。「そんなに痛い、か…」とツイートされても…。結局紹介状を書いてもらって大きな病院に逝くことに。
病院でも車イスに押されて同じように心電図、エコー、レントゲン、採血、採尿と検査のスタンプラリーをしていく。だがここでもお医者様の「ハテ?」を眺めることになった。やはり異常がない。それどころか全部問題なし大健康超健康の太鼓判。結局謎の痛みは夕方になるにつれて徐々に引いていき、しばらくは安静にしていたもののその日の内に帰宅することになった。
結局それ以降胸の痛みは一度も再発していない。痛みの原因は謎のままである。以下は医学的な見知のない自分の憶測だが、やはり急激な体重減少とコルセットによる内臓圧迫で肋骨周辺で炎症か何か起こっていたのかも知れない。医学では肋間神経痛という言葉もあるが、これかもしれないしそうでないかもしれない。自分としては、恐らく無茶なダイエットとコルセットの乱用によるものなのだろうと思う。本人は別に無茶をしていたわけではなく、楽しんで体重を落としたりウエストを細くする努力をしていたつもりなので「泣き面に蜂」という訳ではないのだが、まぁ身体が悲鳴を上げたことは大いに反省すべきだったとは思っている。無茶はしないようにしよう。身体は正直だ。うむ。
■『スカート』と『スネ毛』の組み合わせは女装の象徴…んなこたーない
美しさを競うミスコンテストが女性差別だと言われ始めて久しいが、その代替イベントとしてどこの中学高校の文化祭でも『男装女装コンテスト』は行われているのではないだろうか。女性は元来「美のイデア」を持っているので、女子中高生が男子の学ランを借りて男装してもまぁイケメンとして通用する。だが女装はそうはいかない。体格が大きく毛深い男子がサイズの小さい女子の制服を着て、体育館の壇上で笑い者になるのがオチである。
そう、体毛だ!とにかく男はムダな体毛が多いのである。ヒゲは真っ先に片付けるとして顔や腕のうぶ毛、ワキ毛、そして脚のスネ毛は最低限処理しなければならない。本来は股間の陰毛もビキニラインに沿ってしっかり処理しなければならないところだが、今回はそこまで際どい露出の衣装ではないので割愛する(一応やるけど)。
ムダ毛の処理は2種類ある。剃毛と脱毛だ。剃るか抜くかである。剃るのは簡単だ。男性はいつもヒゲをカミソリで剃っているのでその応用で腕やスネや太モモを剃ればいい。女性用のボディシェービング用カミソリも売っている。だがこの方法はカミソリでの肌へのダメージを考えなければならないだろう。カミソリメーカーの調査では、人がカミソリを肌に当てる力は弱い人でも500g、強い人では1.5kgくらいあるらしい。ナルホドナルホド、どうりでいつもアゴがヒリヒリしていた訳だ(ぉ。
また男性の場合マッハの速度で元通りになってしまう。試しにスネ毛を剃ってみたら2〜3日でニョキニョキと生えてきてしまったのだ。お風呂で1日目スネ毛、2日目ワキ毛、3日目両腕のうぶ毛と目一杯処理しまくってもこれでは意味がない。
脱毛で男性が真っ先にイメージするのは「ガムテープでビッ!」だが、幸い女装のノウハウ本を読むとそれ以外の様々な脱毛の方法が載っている。電動脱毛器、脱毛クリーム、そしてレーザー脱毛などだ。クリームはうぶ毛にしか対応しておらず、レーザー脱毛でエステに通うのも面倒なので、今回は手っ取り早く電動脱毛器を購入することにした。
家電量販店で購入したのは仲間由紀恵が宣伝しているPanasonicの「ソイエ ES2067」だ。トリプルスピン泡脱毛のタイプで脚・腕・ワキ対応の上シェーバーも付いている万能品である。とにかく脱毛は生まれて初めての体験であり、なんかすごく痛そうな気がしたので取り扱い説明書を穴が開くほど読み、さっそく購入当日使ってみることにした。
ソイエは泡脱毛といって、全身を石鹸でアワアワ状態にしてから電動ヒゲ剃りみたいに当てていくタイプである。抜く毛が泡で柔らかくなり、入浴で毛穴が開いてるお陰か幸い初めてでもあまり痛くなかった。ピッ、ピッ、と毛が抜ける瞬間にチクチクする程度だったのだ。だがこれも身体の部位によって程度差があり、例えば身体の中心付近、内側は神経が通っているせいか痛みが走る部分もあった。特に股間付近の毛を処理しようとすると失神しかけるほどの激痛なのだ。皮膚自体が薄く伸びるので脱毛で肌に相当なダメージがかかるようだ。ここは諦めてカミソリで済ますことにする。また脱毛器の機構上デコボコする部位の脱毛も苦手なようだ。ヒザやヒジ、手の甲や指先は抜き残しが多々見られた。大まかにざっと脱毛器を当てた後、毛抜きで残りを処理し、最後に軽くカミソリを当てるのが良さそうだ。
脱毛すると自分でも「女の脚か!?」と思うほどツルツルの脚になる。結果は上々だ。永久脱毛ではないので一週間もすればまた少しずつ生えてくるが、週一で定期的に脱毛していけば持続可能である。たがヒザなど皮膚の厚い部分では、再び毛根から生え伸びた毛先が皮膚を突き破らずに皮下でとぐろを巻くケースも出てきた。内部で伸びた毛は長期的には毛を覆っていた皮膚が古い角質となって剥がれ落ち、長く伸びた状態で表面に出てくることになるが、短期的には青い跡が残り続けることになる。端的にグロい。こういうときは軽石などで表面を少しだけ削って毛先を出してやるといいらしい。ああ、なるほど、だから世の中に軽石というモノが存在するのか。今まで何のために存在するのか意味不明だった(ぉ。
さて残りはヒゲである。ソイエの取り扱い説明書にも「男性の方はヒゲの脱毛に使用しないで下さい」と書いてある。やらないのが懸命だろう。ちなみに価格.comのクチコミ掲示板では「試したら腰が抜ける程の痛さだった」との報告があった(汗。男性のヒゲはムダ毛の中でも特に太くて固く、その強度は同じ太さの鋼鉄と同等といわれている。女性の脱毛方法は使えない。こればっかりはピンセットで一本一本丁寧に抜いていくしかないだろう。
一度に全部やろうとするとやはり2時間はかかる。最初の脱毛後は2〜3日に一回生えてきた分だけの脱毛で済むが、それでも1時間はかかる。カミソリでヒリヒリにならなくなった代償である。風呂場での全身脱毛もやるときは1〜1.5時間くらい時間がかかる。しかもそれでも抜き残しがあるので入浴後自室でヨガみたいなポーズになりながら、手鏡を使って太モモの裏やワキの背中側などムダ毛を探してピンセットで抜くのである。
そもそもよく考えたら、女性だってムダ毛が生えない身体をしているわけではない。太さや程度の差こそあれ男性と同じようにうぶ毛やワキ毛が生えるのである。中学生の時、女子の半袖ワイシャツの奥にボウボウのワキ毛がチラッと見えてショックを受けたこともある。そうか、女性は常日頃からこうやって定期的に剃毛や脱毛に時間と手間をかけているのだなぁ。女性が美しくなるために努力している時間を男性はのんびりゲームしたり遊びに行ったり惰眠を貪ったりする時間として使ってる訳か。
そう考えると、陰で一生懸命頑張ってる美しい女性にはその努力を認める意味でも「今日も綺麗だね」と褒めてあげるべきなんだろう。でも女装男子にとっては男からそう言われたら恐怖を感じるのでやめてね☆
そう、体毛だ!とにかく男はムダな体毛が多いのである。ヒゲは真っ先に片付けるとして顔や腕のうぶ毛、ワキ毛、そして脚のスネ毛は最低限処理しなければならない。本来は股間の陰毛もビキニラインに沿ってしっかり処理しなければならないところだが、今回はそこまで際どい露出の衣装ではないので割愛する(一応やるけど)。
ムダ毛の処理は2種類ある。剃毛と脱毛だ。剃るか抜くかである。剃るのは簡単だ。男性はいつもヒゲをカミソリで剃っているのでその応用で腕やスネや太モモを剃ればいい。女性用のボディシェービング用カミソリも売っている。だがこの方法はカミソリでの肌へのダメージを考えなければならないだろう。カミソリメーカーの調査では、人がカミソリを肌に当てる力は弱い人でも500g、強い人では1.5kgくらいあるらしい。ナルホドナルホド、どうりでいつもアゴがヒリヒリしていた訳だ(ぉ。
また男性の場合マッハの速度で元通りになってしまう。試しにスネ毛を剃ってみたら2〜3日でニョキニョキと生えてきてしまったのだ。お風呂で1日目スネ毛、2日目ワキ毛、3日目両腕のうぶ毛と目一杯処理しまくってもこれでは意味がない。
脱毛で男性が真っ先にイメージするのは「ガムテープでビッ!」だが、幸い女装のノウハウ本を読むとそれ以外の様々な脱毛の方法が載っている。電動脱毛器、脱毛クリーム、そしてレーザー脱毛などだ。クリームはうぶ毛にしか対応しておらず、レーザー脱毛でエステに通うのも面倒なので、今回は手っ取り早く電動脱毛器を購入することにした。
家電量販店で購入したのは仲間由紀恵が宣伝しているPanasonicの「ソイエ ES2067」だ。トリプルスピン泡脱毛のタイプで脚・腕・ワキ対応の上シェーバーも付いている万能品である。とにかく脱毛は生まれて初めての体験であり、なんかすごく痛そうな気がしたので取り扱い説明書を穴が開くほど読み、さっそく購入当日使ってみることにした。
ソイエは泡脱毛といって、全身を石鹸でアワアワ状態にしてから電動ヒゲ剃りみたいに当てていくタイプである。抜く毛が泡で柔らかくなり、入浴で毛穴が開いてるお陰か幸い初めてでもあまり痛くなかった。ピッ、ピッ、と毛が抜ける瞬間にチクチクする程度だったのだ。だがこれも身体の部位によって程度差があり、例えば身体の中心付近、内側は神経が通っているせいか痛みが走る部分もあった。特に股間付近の毛を処理しようとすると失神しかけるほどの激痛なのだ。皮膚自体が薄く伸びるので脱毛で肌に相当なダメージがかかるようだ。ここは諦めてカミソリで済ますことにする。また脱毛器の機構上デコボコする部位の脱毛も苦手なようだ。ヒザやヒジ、手の甲や指先は抜き残しが多々見られた。大まかにざっと脱毛器を当てた後、毛抜きで残りを処理し、最後に軽くカミソリを当てるのが良さそうだ。
脱毛すると自分でも「女の脚か!?」と思うほどツルツルの脚になる。結果は上々だ。永久脱毛ではないので一週間もすればまた少しずつ生えてくるが、週一で定期的に脱毛していけば持続可能である。たがヒザなど皮膚の厚い部分では、再び毛根から生え伸びた毛先が皮膚を突き破らずに皮下でとぐろを巻くケースも出てきた。内部で伸びた毛は長期的には毛を覆っていた皮膚が古い角質となって剥がれ落ち、長く伸びた状態で表面に出てくることになるが、短期的には青い跡が残り続けることになる。端的にグロい。こういうときは軽石などで表面を少しだけ削って毛先を出してやるといいらしい。ああ、なるほど、だから世の中に軽石というモノが存在するのか。今まで何のために存在するのか意味不明だった(ぉ。
さて残りはヒゲである。ソイエの取り扱い説明書にも「男性の方はヒゲの脱毛に使用しないで下さい」と書いてある。やらないのが懸命だろう。ちなみに価格.comのクチコミ掲示板では「試したら腰が抜ける程の痛さだった」との報告があった(汗。男性のヒゲはムダ毛の中でも特に太くて固く、その強度は同じ太さの鋼鉄と同等といわれている。女性の脱毛方法は使えない。こればっかりはピンセットで一本一本丁寧に抜いていくしかないだろう。
一度に全部やろうとするとやはり2時間はかかる。最初の脱毛後は2〜3日に一回生えてきた分だけの脱毛で済むが、それでも1時間はかかる。カミソリでヒリヒリにならなくなった代償である。風呂場での全身脱毛もやるときは1〜1.5時間くらい時間がかかる。しかもそれでも抜き残しがあるので入浴後自室でヨガみたいなポーズになりながら、手鏡を使って太モモの裏やワキの背中側などムダ毛を探してピンセットで抜くのである。
そもそもよく考えたら、女性だってムダ毛が生えない身体をしているわけではない。太さや程度の差こそあれ男性と同じようにうぶ毛やワキ毛が生えるのである。中学生の時、女子の半袖ワイシャツの奥にボウボウのワキ毛がチラッと見えてショックを受けたこともある。そうか、女性は常日頃からこうやって定期的に剃毛や脱毛に時間と手間をかけているのだなぁ。女性が美しくなるために努力している時間を男性はのんびりゲームしたり遊びに行ったり惰眠を貪ったりする時間として使ってる訳か。
そう考えると、陰で一生懸命頑張ってる美しい女性にはその努力を認める意味でも「今日も綺麗だね」と褒めてあげるべきなんだろう。でも女装男子にとっては男からそう言われたら恐怖を感じるのでやめてね☆
■生まれて初めて行った化粧品売り場
化粧品には2種類ある。…ということを自分は最初知らなかった(汗。というか、世の一般男性は多くがその事実を知らないんだろうと思う。男であれば通常「化粧なんて俺には関係ねーもん」という感覚だからだ。だが、この章に限っては女装しない男子にも有用な情報となるだろう。
化粧というと普通の男性はファンデーションを塗ってアイライン書いてリップを付けて…というものを考えるけれど、実際はメイクよりも日頃からのスキンケアの方が重要である。女性にとっては当たり前過ぎて「何を今更」感バリバリだが、男性はこれを知らない。多くの男性はスキンケアすらしないのである。
流石に洗顔は石鹸ではなく洗顔フォームを使う人がほとんどだろうけど、スクラブとかは粉々にせずにそのままガリガリゴシゴシ顔をこするなんてのはザラにある。洗顔後はタオルで拭ってそのまま放置。そういえば顔がカサカサするけどキニシナイ。いやホント。自分だけではないはず(コラ。何せ女装ノウハウ本を読むまでスキンケアという概念に出会わなかったのだ。女装しようと思わずにそのまま男性として普通に生活していたら一生スキンケアをしなかっただろう。
丁寧に洗顔をし、化粧水で保水をして、乳液でコーティングする。本に載っている基本はこうだ。とはいえ、生まれて初めて出会う概念なので、基礎化粧品はどれを買ったらいいかわからない。また今年日焼けをしないのは前提としても、自分の場合去年の夏の日焼けの跡がある。これを消すのは美白というのだろうことはわかっても、美白とは何をすることなのかもわからない。ネットで調べると卵殻膜エキスがいいとかコラーゲンがいいとかチンプンカンプンな話ばかり。まったくのお手上げでスタートからつまずいてしまった。
こんなときは開き直って2chだ。コスプレ板の初心者質問スレで「男なんですが美白って何をすればいいんですか?」と聞いてみたところ、「美容部員の私が通りますよー」とレスが付き懇切丁寧に教えて頂いた。詳しい話は割愛するが、洗顔と保水をしていくと肌の古い角質(垢)が取れやすくなる、そのとき色素のメラニンも一緒に排出されて白くなっていく。メラニンの生成を抑え、排出されやすくするのが美白美容液、という具合だ。要は日頃のスキンケアを続けていくことと、多少お金をかけられるなら美白美容液を化粧品売り場で美容部員と相談しながら買ってくることだった。
という訳で化粧品売り場デビューである。女性しかいないので正直男性には入りにくい領域だ。最初はやはり二の足を踏んでいたのだが、「自分はオンナノコになるのだ」「美しい霧雨魔理沙なるのだ!」という自分でもよくわからない自己暗示をかけて男性としての羞恥心を捨てた。
覚悟が決まれば行動は早いものである。美容部員のお姉さんを捕まえて「すみませんコスプレするので基礎化粧品を買いに来たのですが」と緊張しながら相談する。お姉さんも最初は驚いていたが、フムフムと事情を理解し美容カウンセリングに入る。事前に「ソフィーナやドクターシーラボがいいらしい」と下調べをしていったが、結局自分の肌質と予算との間で資生堂アクアレーベルのホワイトアップローション(化粧水)とホワイトアップエマルジョン(乳液)、それに加え美容液として美白有効成分トラネキサム酸の配合されたHAKUメラノフォーカスEXを購入した。全部で約6400円くらいだった。
美容部員のお姉さんは「とにかく化粧水はケチらずバシャバシャ使うこと」「毎日朝晩2回必ず洗顔とスキンケアをすること」と念を押された。継続しないと意味が無いらしい。自分の場合、顔の他に両腕の日焼け跡を消したかったので、顔と腕両方を同じように丁寧に洗い、化粧水と美容液をパッティングし、乳液でケアしていった。朝晩2回、顔と腕という具合なので、化粧水と美容液はひと月もしないうちに空っぽになった。どうせ夏コミまで半年間の一発勝負だ。白い肌の霧雨魔理沙になるのだ。ということで惜しげもなく切れたら買いまくり、バシャバシャ使いまくった。頻繁に(決して安くない)同じものを買いに来るので、馴染になった美容部員のお姉さんには「真面目なんですね〜」と感心された(汗。「普通の女性の方は『これは効かなかった』といってすぐに別の商品に浮気しちゃうものなんですよ〜」とも。ははあ(汗。
そうするうちに変化が訪れた。ニキビが一切出なくなったのだ。また当たり前だが洗顔後に顔がヒリヒリしなくなった。そして皮脂が抑制してきたのか毛穴が消えた。確かに一段と肌にハリが出てきた気がする。おお、すげー。自分の顔じゃないみたい。今までスキンケアを一切してこなかったこともあり、改善は劇的だった。日焼け跡も綺麗に消えた。3ヶ月もあれば効果は十分だったようだ。ただ、自分の日焼けをしてない通常の肌の色以上には白くならなかった。男性の普通の肌色だが、女性と比較すればやや地黒かも知れない。が、これは許容範囲だろう。
それにしてもこれほど威力があるとは思わなかった。というか、世の男性もちゃんとスキンケア活動をすればもっともっと綺麗な顔になれるだろうと思う。オヌヌメ。
化粧というと普通の男性はファンデーションを塗ってアイライン書いてリップを付けて…というものを考えるけれど、実際はメイクよりも日頃からのスキンケアの方が重要である。女性にとっては当たり前過ぎて「何を今更」感バリバリだが、男性はこれを知らない。多くの男性はスキンケアすらしないのである。
流石に洗顔は石鹸ではなく洗顔フォームを使う人がほとんどだろうけど、スクラブとかは粉々にせずにそのままガリガリゴシゴシ顔をこするなんてのはザラにある。洗顔後はタオルで拭ってそのまま放置。そういえば顔がカサカサするけどキニシナイ。いやホント。自分だけではないはず(コラ。何せ女装ノウハウ本を読むまでスキンケアという概念に出会わなかったのだ。女装しようと思わずにそのまま男性として普通に生活していたら一生スキンケアをしなかっただろう。
丁寧に洗顔をし、化粧水で保水をして、乳液でコーティングする。本に載っている基本はこうだ。とはいえ、生まれて初めて出会う概念なので、基礎化粧品はどれを買ったらいいかわからない。また今年日焼けをしないのは前提としても、自分の場合去年の夏の日焼けの跡がある。これを消すのは美白というのだろうことはわかっても、美白とは何をすることなのかもわからない。ネットで調べると卵殻膜エキスがいいとかコラーゲンがいいとかチンプンカンプンな話ばかり。まったくのお手上げでスタートからつまずいてしまった。
こんなときは開き直って2chだ。コスプレ板の初心者質問スレで「男なんですが美白って何をすればいいんですか?」と聞いてみたところ、「美容部員の私が通りますよー」とレスが付き懇切丁寧に教えて頂いた。詳しい話は割愛するが、洗顔と保水をしていくと肌の古い角質(垢)が取れやすくなる、そのとき色素のメラニンも一緒に排出されて白くなっていく。メラニンの生成を抑え、排出されやすくするのが美白美容液、という具合だ。要は日頃のスキンケアを続けていくことと、多少お金をかけられるなら美白美容液を化粧品売り場で美容部員と相談しながら買ってくることだった。
という訳で化粧品売り場デビューである。女性しかいないので正直男性には入りにくい領域だ。最初はやはり二の足を踏んでいたのだが、「自分はオンナノコになるのだ」「美しい霧雨魔理沙なるのだ!」という自分でもよくわからない自己暗示をかけて男性としての羞恥心を捨てた。
覚悟が決まれば行動は早いものである。美容部員のお姉さんを捕まえて「すみませんコスプレするので基礎化粧品を買いに来たのですが」と緊張しながら相談する。お姉さんも最初は驚いていたが、フムフムと事情を理解し美容カウンセリングに入る。事前に「ソフィーナやドクターシーラボがいいらしい」と下調べをしていったが、結局自分の肌質と予算との間で資生堂アクアレーベルのホワイトアップローション(化粧水)とホワイトアップエマルジョン(乳液)、それに加え美容液として美白有効成分トラネキサム酸の配合されたHAKUメラノフォーカスEXを購入した。全部で約6400円くらいだった。
美容部員のお姉さんは「とにかく化粧水はケチらずバシャバシャ使うこと」「毎日朝晩2回必ず洗顔とスキンケアをすること」と念を押された。継続しないと意味が無いらしい。自分の場合、顔の他に両腕の日焼け跡を消したかったので、顔と腕両方を同じように丁寧に洗い、化粧水と美容液をパッティングし、乳液でケアしていった。朝晩2回、顔と腕という具合なので、化粧水と美容液はひと月もしないうちに空っぽになった。どうせ夏コミまで半年間の一発勝負だ。白い肌の霧雨魔理沙になるのだ。ということで惜しげもなく切れたら買いまくり、バシャバシャ使いまくった。頻繁に(決して安くない)同じものを買いに来るので、馴染になった美容部員のお姉さんには「真面目なんですね〜」と感心された(汗。「普通の女性の方は『これは効かなかった』といってすぐに別の商品に浮気しちゃうものなんですよ〜」とも。ははあ(汗。
そうするうちに変化が訪れた。ニキビが一切出なくなったのだ。また当たり前だが洗顔後に顔がヒリヒリしなくなった。そして皮脂が抑制してきたのか毛穴が消えた。確かに一段と肌にハリが出てきた気がする。おお、すげー。自分の顔じゃないみたい。今までスキンケアを一切してこなかったこともあり、改善は劇的だった。日焼け跡も綺麗に消えた。3ヶ月もあれば効果は十分だったようだ。ただ、自分の日焼けをしてない通常の肌の色以上には白くならなかった。男性の普通の肌色だが、女性と比較すればやや地黒かも知れない。が、これは許容範囲だろう。
それにしてもこれほど威力があるとは思わなかった。というか、世の男性もちゃんとスキンケア活動をすればもっともっと綺麗な顔になれるだろうと思う。オヌヌメ。
■ボン!キュッ!ボン!のスリーサイズを攻略する
よくある話だが、前を歩く女性の後ろ姿がとても美しく、ちょっと顔を見てみたいと思ったことはないだろうか? 男性なら少し早歩きをしてその女性を一旦追い越し、なんとなく後方の何かを気にするようにして振り返って女性の顔を確認したりすることは一度や二度じゃないはずだ。まぁ、ときにはその女性が高見盛のような顔でがっかりすることもあるわけだが。「後ろ美人、前ブス」という時間差攻撃である。
どうしてそんな時間差攻撃を受けてしまうのか。どうして後ろ姿が美人に見えてしまうのか。一言で言えばボン!キュッ!ボン!の綺麗な身体のラインを見ているからである。それに魅力を感じてしまうのだ。つまり、このシルエットを疑似的に作ることで実際に女性と錯覚させることが出来る。出っ張るところは付け足し、くびれてるところはキュッとしめるのだ。
(※第2版にあたって追記:読者の中にはお気付きの方もいらっしゃるだろうが、この文章を執筆した2010年7月時点ではシュタインズゲートのキャラクター「椎名まゆり(女性)」と「漆原るか(男の娘)」を混同していた。「椎名まゆり」のフィギュアの写真を見て、筆者が「漆原るか」と勘違いしてしまい、知人のカメラマンに当時「このキャラは男性」という豪快に誤った情報を伝達してしまった(汗。後に誤解が判明したが、印刷物では事実誤認がそのまま掲載されてしまった。第2巻で訂正とお詫びを掲載している。第2版を出すにあたり文章に手を加えようかとも思ったが、事実のエピソードを修正すると創作になってしまうため、敢えて誤りの記述をそのまま残すことにした。訂正の脚注を追記してお詫びしたい。)
先に出っ張るところから始めよう。まずはバストである。これは女装では諸刃の剣だ。やり過ぎると気持ち悪く、かといっておっぱいを省略すると上半身で視線を集中させる箇所がなくなる。つまり全体を満遍なくジロジロ見られて肩幅や胸囲の広さに気付かれてしまうのである。ほどほどにおっぱいはあった方が都合がいい。単純にタオルを仕込むやり方から乳がんで切除してしまった人向けの医療用シリコン製人工乳房までいろいろな方法はあるが、コストを抑えつつ一応のリアルなフォルムを保つために、シリコンヌーブラを付けて通常のブラジャーを重ねる方式にした。初代型のシリコンそのままのヌーブラは一般的に旧型かも知れないが、医療用シリコンがそのまま使われており、また分厚く今回の用途に好都合である。ブラジャーはヌーブラがすっぽり隠れるようフルカップブラにする。アンダーバスト80cmは小さくしようがないので素直にD80サイズをアモスタイルから通販で購入。この頃にはすでに何も感じなくなっていた。
次はウエストだ。ダイエットが一段落した時点でウエストは66cmである。そのままでも女性Lサイズのコスプレ衣装が着られなくはないが、この際なのでコルセットでもっと絞ってみよう。最初は海外製のコルセットを買うしかないのか諦めていたのだが、新宿マルイワンを散策してみたところ『エクサントリーク』というブランドに出会う。コルセットを作る国内唯一のブランドだそうだ。コルセットはバストまで覆うもの、ウエストだけのもの、というように種類がある。女装にはミニコルセットしか使えないのだが、ちょうど手ごろな値段のものがあり即購入を決意。やはり体型矯正用のコルセットは医療用のゴム製とは異なりしっかりした固い素材の作りだった。身に付けると2〜3cmくらい細くなる。その代わりしゃがむことが出来なくなるので、ソックスなどは先に穿かなければならないようだ。
最後にヒップラインをどうするか検討する。今回は霧雨魔理沙なので、丈の長いスカートとふわふわパニエで身体のラインは隠してしまうが一応考えてみよう。
男性のお尻の肉付きは骨格の構造上、女性に比べて貧弱で下に垂れ下がっている。これを上方に持ち上げるために女性なら補整下着という選択肢があるが、男性はこれでは肉が足りないのでヒップパッドを身に付けた方がいいだろう。需要が無いためかお尻用のシリコンパッドは国内で製造されていないので海外製品を買うことになる。幸い新宿コスメイトなど女装グッズを売るお店で売っている。
さてここまでは女性の凸凹を疑似的に作ることだが、これとは別に男性の凸凹を隠すということも考慮する必要がある。今回も含め多くの場合女装はスカートを着用するので無視してもいいのだが、タイトスカートやチャイナドレス、バニーガールなどのコスチュームは『アソコ』の出っ張りを潰さなければならない。これには「ペニスタック」というテクニックが存在する。自分は試したことはないが、男性の生殖器はもともと股の内側に格納出来るスペースが骨格的に空いているのだ。そこにすべてを格納して固定してしまえば、本当に女性のような何もない股間を作ることが出来るらしい。テープで固定する方法もあれば、最近は専用のペニスストッキングも発売されているようだ。だが真面目な話これは危険な行為である。男性の睾丸には精巣があり、精巣は熱に弱い。精巣を高熱な体温から退避するためにあのようなぶら下がりの構造となっている。格納出来るとはいえそれで女装し丸一日過ごしたとしたら、精巣にはかなりのダメージとなるはずだ。女装コスプレはあくまで「遊び」である。身体を壊しては本末転倒だ。この方法は数十分から1時間程度に止めるべきだろう。
そうはいっても、ペニスタックで見る人にある種の衝撃を与えることは確実だ。見聞の範囲では「アレが付いているはずの人間が、モッコリのない超美形のバニーガールになっていた(!!)」という話も聞く。まぁ、それでどんなメリットがあるかと考えたところで、あまりロクなことにならない気はするのだが…。
どうしてそんな時間差攻撃を受けてしまうのか。どうして後ろ姿が美人に見えてしまうのか。一言で言えばボン!キュッ!ボン!の綺麗な身体のラインを見ているからである。それに魅力を感じてしまうのだ。つまり、このシルエットを疑似的に作ることで実際に女性と錯覚させることが出来る。出っ張るところは付け足し、くびれてるところはキュッとしめるのだ。
(※第2版にあたって追記:読者の中にはお気付きの方もいらっしゃるだろうが、この文章を執筆した2010年7月時点ではシュタインズゲートのキャラクター「椎名まゆり(女性)」と「漆原るか(男の娘)」を混同していた。「椎名まゆり」のフィギュアの写真を見て、筆者が「漆原るか」と勘違いしてしまい、知人のカメラマンに当時「このキャラは男性」という豪快に誤った情報を伝達してしまった(汗。後に誤解が判明したが、印刷物では事実誤認がそのまま掲載されてしまった。第2巻で訂正とお詫びを掲載している。第2版を出すにあたり文章に手を加えようかとも思ったが、事実のエピソードを修正すると創作になってしまうため、敢えて誤りの記述をそのまま残すことにした。訂正の脚注を追記してお詫びしたい。)
先に出っ張るところから始めよう。まずはバストである。これは女装では諸刃の剣だ。やり過ぎると気持ち悪く、かといっておっぱいを省略すると上半身で視線を集中させる箇所がなくなる。つまり全体を満遍なくジロジロ見られて肩幅や胸囲の広さに気付かれてしまうのである。ほどほどにおっぱいはあった方が都合がいい。単純にタオルを仕込むやり方から乳がんで切除してしまった人向けの医療用シリコン製人工乳房までいろいろな方法はあるが、コストを抑えつつ一応のリアルなフォルムを保つために、シリコンヌーブラを付けて通常のブラジャーを重ねる方式にした。初代型のシリコンそのままのヌーブラは一般的に旧型かも知れないが、医療用シリコンがそのまま使われており、また分厚く今回の用途に好都合である。ブラジャーはヌーブラがすっぽり隠れるようフルカップブラにする。アンダーバスト80cmは小さくしようがないので素直にD80サイズをアモスタイルから通販で購入。この頃にはすでに何も感じなくなっていた。
次はウエストだ。ダイエットが一段落した時点でウエストは66cmである。そのままでも女性Lサイズのコスプレ衣装が着られなくはないが、この際なのでコルセットでもっと絞ってみよう。最初は海外製のコルセットを買うしかないのか諦めていたのだが、新宿マルイワンを散策してみたところ『エクサントリーク』というブランドに出会う。コルセットを作る国内唯一のブランドだそうだ。コルセットはバストまで覆うもの、ウエストだけのもの、というように種類がある。女装にはミニコルセットしか使えないのだが、ちょうど手ごろな値段のものがあり即購入を決意。やはり体型矯正用のコルセットは医療用のゴム製とは異なりしっかりした固い素材の作りだった。身に付けると2〜3cmくらい細くなる。その代わりしゃがむことが出来なくなるので、ソックスなどは先に穿かなければならないようだ。
最後にヒップラインをどうするか検討する。今回は霧雨魔理沙なので、丈の長いスカートとふわふわパニエで身体のラインは隠してしまうが一応考えてみよう。
男性のお尻の肉付きは骨格の構造上、女性に比べて貧弱で下に垂れ下がっている。これを上方に持ち上げるために女性なら補整下着という選択肢があるが、男性はこれでは肉が足りないのでヒップパッドを身に付けた方がいいだろう。需要が無いためかお尻用のシリコンパッドは国内で製造されていないので海外製品を買うことになる。幸い新宿コスメイトなど女装グッズを売るお店で売っている。
さてここまでは女性の凸凹を疑似的に作ることだが、これとは別に男性の凸凹を隠すということも考慮する必要がある。今回も含め多くの場合女装はスカートを着用するので無視してもいいのだが、タイトスカートやチャイナドレス、バニーガールなどのコスチュームは『アソコ』の出っ張りを潰さなければならない。これには「ペニスタック」というテクニックが存在する。自分は試したことはないが、男性の生殖器はもともと股の内側に格納出来るスペースが骨格的に空いているのだ。そこにすべてを格納して固定してしまえば、本当に女性のような何もない股間を作ることが出来るらしい。テープで固定する方法もあれば、最近は専用のペニスストッキングも発売されているようだ。だが真面目な話これは危険な行為である。男性の睾丸には精巣があり、精巣は熱に弱い。精巣を高熱な体温から退避するためにあのようなぶら下がりの構造となっている。格納出来るとはいえそれで女装し丸一日過ごしたとしたら、精巣にはかなりのダメージとなるはずだ。女装コスプレはあくまで「遊び」である。身体を壊しては本末転倒だ。この方法は数十分から1時間程度に止めるべきだろう。
そうはいっても、ペニスタックで見る人にある種の衝撃を与えることは確実だ。見聞の範囲では「アレが付いているはずの人間が、モッコリのない超美形のバニーガールになっていた(!!)」という話も聞く。まぁ、それでどんなメリットがあるかと考えたところで、あまりロクなことにならない気はするのだが…。
■コスプレ買い出し紀行──中国とアメリカまで
ひとくちにコスプレ衣装といっても、買うものは多岐に渡る。たくさんの種類から自分で選ばなければならないものもあれば、そもそも何を買えばいいのかわからないものもある。コスプレイヤーであれば誰でも経験することなのだろう。
今回コスプレするのは東方Projectの霧雨魔理沙、これは決定済みだ。改めて何が必要か確認してみることにする。まず衣装一式が真っ先に必要となる。魔法使いのとんがり帽子、白いブラウス、黒いベスト、白いエプロンに黒いスカート、パニエもあった方がいいだろう。それに東方ではお馴染のドロワーズ。買うことを前提にするならここまではセットで売っている。次に金髪になるためのウィッグが必要だ。魔理沙は長髪カールに1本の三つ編みという髪形。…三つ編みの勉強も必要だ(汗。瞳孔を演出するためにカラーコンタクト。足は女児がピアノの発表会で穿くようなフォーマルの三つ折りソックスとローファー。正直、全部苦労した(汗。
コスプレ衣装を購入するにしても価格帯はピンからキリまである。ヤフオクや楽天などでは5000〜10000円くらいが相場だ。だがこれらの衣装は実際届いてみるとドンキで売っているようなペラペラの布きれであり、まともな衣服となっていないことが多い。またヤフオクやネットショップでは個人が受注製作しているところも多く、品質や納期にバラつきがある。残念ながらコスプレ衣装マーケットは一般的なアパレル業界とは違い、まだまだドンキのような激安大量生産商品か同人活動的な個人製作グループが中心のようだ。どうしても品質を求めるなら最大手のコスパに行くべきだろう。衣装は文句なしの完成度の代わりに価格帯は30000〜50000円となる。流石に高額であるし、何よりコスパでは東方を扱っていない。
ネットでは霧雨魔理沙の衣装セットを扱っているところは様々あったが、何とか価格帯と品質で満足出来そうなネットショップを見付けることが出来た。今回は女性に見えることが目標であり、女性サイズ(女性の身体ライン)に自分の身体を"ねじ込む"ことを想定している。本当は女性Lサイズも着られる自信はあったが、スカート丈が短いと足の露出部分も増えてしまうだろう。身長とのバランスを考えて女性XLサイズの購入を決めた。
問題はここからだ。発注したのはいいものの納期になっても衣装が届かない。既に来てるはずの発送確認メールも届かない。届いたのは発注時の自動返信メールだけである。「おいおい」と思ってネットショップに問い合わせしてみても一切音沙汰がない。…もしかして、やられた? ネットで調べるとどうやら同じように届かない人が他にもたくさんいるようだ。なまじウェブサイトがちゃんとした作りで動いているので、発注する人が絶えないようだ。むむむ。
ところが2chを見てみると、意外なことにそのネットショップは忘れた頃に届くというケースが多々あるらしい。…つまり、どういうことだってばよ? 断片的な情報を集めてみると「数年前までは何も問題がなかった」「生産は中国に発注し、国内では衣装の企画設計、及び受注と発送業務をやっているといっていた」「去年あたりから連絡が途切れがちになり、国内の事務方がいなくなったっぽい」「生産していた中国側が直接受注と発注業務をやっているらしい」ということらしかった(風評の域を出ないのでここでは名前を伏せることにする)。
そうか、中国の生産工場が直接運営してるのか。それならば日本語の問い合わせに一切返事が無いのも、納期がアバウトなのも合点がいく。結局のところ発注した衣装は2ヶ月遅れで無事届いたのだった。梱包には衣装以外に領収証や納品書の類が何も入っていなかったけど、まぁ何も言うまい。
衣装が届けば安心して他のものを揃え始められる。次の買うものはウィッグだ。だがこれも人生初の買い物で右も左もわからない。そもそもどこに売っているかもわからなかった。秋葉原を散策してもコスプレ衣装が売られているのはいくつも見付けたが、肝心のウィッグは置いていない。ぶっつけ本番でネット通販で購入して大失敗…というのは避けたい。餅は餅屋ということで、ここは友人の女性コスプレイヤーの方々に「ウィッグってみんなどこでどうやって買うの?」と聞くことにした。目の前のカメラマンがいきなり女装するとか言い出しさぞやビックリしたことだろう。アシストウィッグが秋葉原に、シペラスが神田に、メイプルウィッグが日暮里に、それぞれ試着の出来る実店舗があることを教えて頂いた。最終的にメイプルのライトゴールドのロングカールを購入。店員のお姉さんにウィッグの取り扱い方を懇切丁寧に教えて頂いた。後日談だが購入時「初心者にカールの扱いは難しいですよ。2〜3回装着しただけでボサボサになることもあるので気を付けて下さいね」とお姉さんに忠告を受けたにも関わらずすぐにボサボサになり、これは練習用と割り切って新たに買い直したのだった(汗。
困難な買い物はまだまだ続く。一番困ったのは三つ折りソックスだ。普通に女子高生用のスクールソックスを折り返すと、当たり前だが裏側の生地が美しくない。リブがあると表裏が丸わかりになってしまうのだ。そもそも三つ折りソックスは女児用のフォーマルソックスであり、現在ではファッションとして一般女性サイズのものが存在しない。昭和の頃は一般的だったと思われる三つ折りソックスも、時代と共にニーズが無くなり消滅してしまったようだ。女性なら多少きつくても20〜22cmのサイズを穿けるのかもしれないが、24cmの自分には無理である。ネットショップだけでなく自分の足であちこちのブティックや百貨店を散策してみたが、目ぼしいソックスが見付からなかった。
こうなると他のコスプレイヤーの方々は魔理沙のソックスをどのように解決しているか気になってくる。Cureやコスプレイヤーズアーカイブで公開されている写真を眺めてみると対処方法は様々だ。普通のスクールソックス、フリル付きソックス、あるいはレースアップのタンクソールブーツ(この用語自体今回知った)でソックスが見えないパターンなど。もともと魔理沙のコスチュームに関しては詳細な公式設定がない。ここはコスプレイヤー一人ひとりが自分でキャラの演出を決めなければならない部分のようである。となるとフリル付きソックスは悪くない選択肢に思えてくる。そこでゴシックロリータ系のショップを探しまくり、最終的にメイド服専門店のキャンディーフルーツで凝ったデザインのものを見付けたのだった。
残るはローファーとカラコンである。ローファーは最初からハルタのジャマイカかセダークレストの「かわいい大使」に決めていたからいいとしても、コンタクトレンズは(近視のくせに)初めての経験だ。自分の度数もわからないのでまずは眼科検診である。眼科でコンタクトレンズの基本的な使い方を教わり、一番安いワンデーアキュビューを買って付け外しの練習をする。一通り使い方を覚えてからカラコンについて調べ始めた。
カラコンは当初度なししかないだろうと諦めていたが、探せば度ありのものもネット通販で売られているようだ。また2chのコスプレ板ではカラコンまとめサイトが作られており、各商品の品質の善し悪しや基本的なFAQもあったので迷う羽目にならず助かった。特に普通のコンタクトレンズにカラコンを重ねて装着すると失明フラグという一般常識もなかったので命拾いしたというべきか(汗。最終的にビッグアイ2のヘーゼルをアメリカから個人輸入した。
駆け足で一通りの買い物を見てきたが、気が付くと結構な金額になっていた。試しに買って勉強代になったものもある。これらの他に下着類、脱毛やダイエット、医療費、スキンケアとメイクの化粧品も全部合わせると…嗚呼、いろんなものが買えたような気がする(汗。後悔はしていないけど、最初から女性コスプレイヤーさんに売り子を依頼した方が確実に安上がりだったなぁ…あっはっは。まぁ、こうして本のネタになったからいいか☆
今回コスプレするのは東方Projectの霧雨魔理沙、これは決定済みだ。改めて何が必要か確認してみることにする。まず衣装一式が真っ先に必要となる。魔法使いのとんがり帽子、白いブラウス、黒いベスト、白いエプロンに黒いスカート、パニエもあった方がいいだろう。それに東方ではお馴染のドロワーズ。買うことを前提にするならここまではセットで売っている。次に金髪になるためのウィッグが必要だ。魔理沙は長髪カールに1本の三つ編みという髪形。…三つ編みの勉強も必要だ(汗。瞳孔を演出するためにカラーコンタクト。足は女児がピアノの発表会で穿くようなフォーマルの三つ折りソックスとローファー。正直、全部苦労した(汗。
コスプレ衣装を購入するにしても価格帯はピンからキリまである。ヤフオクや楽天などでは5000〜10000円くらいが相場だ。だがこれらの衣装は実際届いてみるとドンキで売っているようなペラペラの布きれであり、まともな衣服となっていないことが多い。またヤフオクやネットショップでは個人が受注製作しているところも多く、品質や納期にバラつきがある。残念ながらコスプレ衣装マーケットは一般的なアパレル業界とは違い、まだまだドンキのような激安大量生産商品か同人活動的な個人製作グループが中心のようだ。どうしても品質を求めるなら最大手のコスパに行くべきだろう。衣装は文句なしの完成度の代わりに価格帯は30000〜50000円となる。流石に高額であるし、何よりコスパでは東方を扱っていない。
ネットでは霧雨魔理沙の衣装セットを扱っているところは様々あったが、何とか価格帯と品質で満足出来そうなネットショップを見付けることが出来た。今回は女性に見えることが目標であり、女性サイズ(女性の身体ライン)に自分の身体を"ねじ込む"ことを想定している。本当は女性Lサイズも着られる自信はあったが、スカート丈が短いと足の露出部分も増えてしまうだろう。身長とのバランスを考えて女性XLサイズの購入を決めた。
問題はここからだ。発注したのはいいものの納期になっても衣装が届かない。既に来てるはずの発送確認メールも届かない。届いたのは発注時の自動返信メールだけである。「おいおい」と思ってネットショップに問い合わせしてみても一切音沙汰がない。…もしかして、やられた? ネットで調べるとどうやら同じように届かない人が他にもたくさんいるようだ。なまじウェブサイトがちゃんとした作りで動いているので、発注する人が絶えないようだ。むむむ。
ところが2chを見てみると、意外なことにそのネットショップは忘れた頃に届くというケースが多々あるらしい。…つまり、どういうことだってばよ? 断片的な情報を集めてみると「数年前までは何も問題がなかった」「生産は中国に発注し、国内では衣装の企画設計、及び受注と発送業務をやっているといっていた」「去年あたりから連絡が途切れがちになり、国内の事務方がいなくなったっぽい」「生産していた中国側が直接受注と発注業務をやっているらしい」ということらしかった(風評の域を出ないのでここでは名前を伏せることにする)。
そうか、中国の生産工場が直接運営してるのか。それならば日本語の問い合わせに一切返事が無いのも、納期がアバウトなのも合点がいく。結局のところ発注した衣装は2ヶ月遅れで無事届いたのだった。梱包には衣装以外に領収証や納品書の類が何も入っていなかったけど、まぁ何も言うまい。
衣装が届けば安心して他のものを揃え始められる。次の買うものはウィッグだ。だがこれも人生初の買い物で右も左もわからない。そもそもどこに売っているかもわからなかった。秋葉原を散策してもコスプレ衣装が売られているのはいくつも見付けたが、肝心のウィッグは置いていない。ぶっつけ本番でネット通販で購入して大失敗…というのは避けたい。餅は餅屋ということで、ここは友人の女性コスプレイヤーの方々に「ウィッグってみんなどこでどうやって買うの?」と聞くことにした。目の前のカメラマンがいきなり女装するとか言い出しさぞやビックリしたことだろう。アシストウィッグが秋葉原に、シペラスが神田に、メイプルウィッグが日暮里に、それぞれ試着の出来る実店舗があることを教えて頂いた。最終的にメイプルのライトゴールドのロングカールを購入。店員のお姉さんにウィッグの取り扱い方を懇切丁寧に教えて頂いた。後日談だが購入時「初心者にカールの扱いは難しいですよ。2〜3回装着しただけでボサボサになることもあるので気を付けて下さいね」とお姉さんに忠告を受けたにも関わらずすぐにボサボサになり、これは練習用と割り切って新たに買い直したのだった(汗。
困難な買い物はまだまだ続く。一番困ったのは三つ折りソックスだ。普通に女子高生用のスクールソックスを折り返すと、当たり前だが裏側の生地が美しくない。リブがあると表裏が丸わかりになってしまうのだ。そもそも三つ折りソックスは女児用のフォーマルソックスであり、現在ではファッションとして一般女性サイズのものが存在しない。昭和の頃は一般的だったと思われる三つ折りソックスも、時代と共にニーズが無くなり消滅してしまったようだ。女性なら多少きつくても20〜22cmのサイズを穿けるのかもしれないが、24cmの自分には無理である。ネットショップだけでなく自分の足であちこちのブティックや百貨店を散策してみたが、目ぼしいソックスが見付からなかった。
こうなると他のコスプレイヤーの方々は魔理沙のソックスをどのように解決しているか気になってくる。Cureやコスプレイヤーズアーカイブで公開されている写真を眺めてみると対処方法は様々だ。普通のスクールソックス、フリル付きソックス、あるいはレースアップのタンクソールブーツ(この用語自体今回知った)でソックスが見えないパターンなど。もともと魔理沙のコスチュームに関しては詳細な公式設定がない。ここはコスプレイヤー一人ひとりが自分でキャラの演出を決めなければならない部分のようである。となるとフリル付きソックスは悪くない選択肢に思えてくる。そこでゴシックロリータ系のショップを探しまくり、最終的にメイド服専門店のキャンディーフルーツで凝ったデザインのものを見付けたのだった。
残るはローファーとカラコンである。ローファーは最初からハルタのジャマイカかセダークレストの「かわいい大使」に決めていたからいいとしても、コンタクトレンズは(近視のくせに)初めての経験だ。自分の度数もわからないのでまずは眼科検診である。眼科でコンタクトレンズの基本的な使い方を教わり、一番安いワンデーアキュビューを買って付け外しの練習をする。一通り使い方を覚えてからカラコンについて調べ始めた。
カラコンは当初度なししかないだろうと諦めていたが、探せば度ありのものもネット通販で売られているようだ。また2chのコスプレ板ではカラコンまとめサイトが作られており、各商品の品質の善し悪しや基本的なFAQもあったので迷う羽目にならず助かった。特に普通のコンタクトレンズにカラコンを重ねて装着すると失明フラグという一般常識もなかったので命拾いしたというべきか(汗。最終的にビッグアイ2のヘーゼルをアメリカから個人輸入した。
駆け足で一通りの買い物を見てきたが、気が付くと結構な金額になっていた。試しに買って勉強代になったものもある。これらの他に下着類、脱毛やダイエット、医療費、スキンケアとメイクの化粧品も全部合わせると…嗚呼、いろんなものが買えたような気がする(汗。後悔はしていないけど、最初から女性コスプレイヤーさんに売り子を依頼した方が確実に安上がりだったなぁ…あっはっは。まぁ、こうして本のネタになったからいいか☆
■メイクを覚えるため女装サロンに行きました
女装コスプレのために覚悟を決めた。方針もキャラも決めた。ダイエットも脱毛も美白もした。下着や衣装も揃えた。残るは最後の障壁、メイクである。計画当初は自分に一朝一夕でメイクが習得出来る訳がないと思っていたので、誰かにしてもらうことを想定していた。しかしコミケ当日にバタバタした会場でお願いするのは状況的に難しい。かといって入場前に早朝しっかりメイクしてもらい、男性私服のままゆりかもめに乗るのは公開処刑そのものだ。結局自分で覚えるしかないと腹をくくった。
ノウハウ本に基本的のことは書いてありメイク情報はネットにたくさんあるものの、こればっかりは直接レクチャーを受けなければどうしようもないだろう。ファンデーションやアイメイク、チーク類も自分で全部選ぶのは不可能に近い。また女装は特殊メイクの部類に入る。化粧品売り場の美容部員のお姉さんにも正確な話は聞けないだろう。やはりここはノウハウ本にある通り、素直に女装サロンでメイクレッスンを受けるのが正攻法だ。メイクは一切しないという選択肢もあったかもしれないが、それはそれで自殺行為である(汗。
それにしても女装サロンは化粧品売り場以上に行きにくい場所だ。今回の女装は心理的に「女性キャラのコスプレ」というタテマエに助けられている部分がある(汗。純粋な女装のコミュニティの場に足を運んでメイクを教わるのは流石に抵抗があった(滝汗。コスプレはコスプレイヤー同士で話が合うのかも知れないが、女装コスプレはあくまで周りに見せるパフォーマンスであり、女装した男性同士で交流するつもりはない。少なくとも自分はそうだ(汗。トランスジェンダーでも性同一性障害でもない。ましてホモでもゲイでもないことはいうまでもない。本当だ。信じてくれ(大汗。行く前からかなりビビっていたこともあり、純女(女装男子と区別するために"この世界"では普通の女性をこう呼ぶ)のスタッフだけがいて、来客同士が対面しない完全予約制の女装サロンを探してそこでメイクを教わることにした。
幸いそのようなサロンはすぐに見付かった。おっかなびっくりで向かったサロンは小さなカフェみたいなところで、こちらの覚悟が決まっていたこともあり最初の美容カウンセリングはすんなりことが運んだ。女装の場合、まず男性と女性では肌の質が違う。そのため女性の一般的なメイクの方法論ではやはり上手くいかないそうだ。特に男性の肌の黒さは(女性用の)強めのリキッドファンデーションを使ってもカバーし切れないことが多い。まずは舞台メイク用のドーランをがっつり塗り込む方法が女装で成功しやすいメイクだという(もちろんそれが絶対ではないし、他の方法もある)。今回はコスプレで派手目のコスチュームなので、女性私服(デート服)に合わせたナチュラルメイクよりもやや誇張したアーティスティックなメイクの方がバランスがとれるようだ。多少厚化粧になってもなんとか見栄えになると思えば、失敗もあまり気にならない。そう考えれば気楽に構えられた。
生まれて初めてのメイクである。最初はスタッフさんにお任せでしてもらったが、みるみるうちに自分の顔が女性になっていく。見ていて実に不思議な気分になった。少し残念だったのは顔は女性になっても顔の輪郭は男性のままだということ。ヒゲ跡は綺麗に消せたがアゴのラインは最後まで男性の印象だ。見る人の視線が顔の下半分に行かない(目立たない)よう、アイメイクやウィッグやコスチュームに別の注目点要素を作る必要がありそうだ。
次に自分でメイクをしてみる。何気に先端恐怖症持ちだ。尖ったものが目を向いているとどうしても落ち着かない。アイラインを書くのがこんなに怖いと思わなかった。マスカラは何度も目に入れてしまった。完成する前に黒い涙がボロボロ頬を伝う(苦笑。初回は見るも無残な結果だった。
メイク落としまで一通り終えてから、スタッフさんから「帰ったらすぐに練習すること。やらずにいたらすぐに忘れちゃうから」とアドバイスをもらう。確かにやることが多過ぎて忘れてしまいそうだ。アイラインとアイシャドウどっちが先かとか(汗。
その後何度も夜中こっそり練習を繰り返した。その間女装サロンで用意してもらった基本メイクセットから「リサージ ブラッシュヴェイル」やら「コスメデコルテ マジーデコ」やら「ケサランパサラン」やらいくつか化粧品を自分で買い足したり、いろいろメイク本の方法を試している内に、気が付いたらメイク落としの『ビオレパーフェクトオイル』がボトル1本すっからかんになっていた。とびきりの美人ではないものの一応「それなり」の見栄えになったかなと自分では思っている。が、夏コミの環境では化粧崩れが心配だなぁ…。
ノウハウ本に基本的のことは書いてありメイク情報はネットにたくさんあるものの、こればっかりは直接レクチャーを受けなければどうしようもないだろう。ファンデーションやアイメイク、チーク類も自分で全部選ぶのは不可能に近い。また女装は特殊メイクの部類に入る。化粧品売り場の美容部員のお姉さんにも正確な話は聞けないだろう。やはりここはノウハウ本にある通り、素直に女装サロンでメイクレッスンを受けるのが正攻法だ。メイクは一切しないという選択肢もあったかもしれないが、それはそれで自殺行為である(汗。
それにしても女装サロンは化粧品売り場以上に行きにくい場所だ。今回の女装は心理的に「女性キャラのコスプレ」というタテマエに助けられている部分がある(汗。純粋な女装のコミュニティの場に足を運んでメイクを教わるのは流石に抵抗があった(滝汗。コスプレはコスプレイヤー同士で話が合うのかも知れないが、女装コスプレはあくまで周りに見せるパフォーマンスであり、女装した男性同士で交流するつもりはない。少なくとも自分はそうだ(汗。トランスジェンダーでも性同一性障害でもない。ましてホモでもゲイでもないことはいうまでもない。本当だ。信じてくれ(大汗。行く前からかなりビビっていたこともあり、純女(女装男子と区別するために"この世界"では普通の女性をこう呼ぶ)のスタッフだけがいて、来客同士が対面しない完全予約制の女装サロンを探してそこでメイクを教わることにした。
幸いそのようなサロンはすぐに見付かった。おっかなびっくりで向かったサロンは小さなカフェみたいなところで、こちらの覚悟が決まっていたこともあり最初の美容カウンセリングはすんなりことが運んだ。女装の場合、まず男性と女性では肌の質が違う。そのため女性の一般的なメイクの方法論ではやはり上手くいかないそうだ。特に男性の肌の黒さは(女性用の)強めのリキッドファンデーションを使ってもカバーし切れないことが多い。まずは舞台メイク用のドーランをがっつり塗り込む方法が女装で成功しやすいメイクだという(もちろんそれが絶対ではないし、他の方法もある)。今回はコスプレで派手目のコスチュームなので、女性私服(デート服)に合わせたナチュラルメイクよりもやや誇張したアーティスティックなメイクの方がバランスがとれるようだ。多少厚化粧になってもなんとか見栄えになると思えば、失敗もあまり気にならない。そう考えれば気楽に構えられた。
生まれて初めてのメイクである。最初はスタッフさんにお任せでしてもらったが、みるみるうちに自分の顔が女性になっていく。見ていて実に不思議な気分になった。少し残念だったのは顔は女性になっても顔の輪郭は男性のままだということ。ヒゲ跡は綺麗に消せたがアゴのラインは最後まで男性の印象だ。見る人の視線が顔の下半分に行かない(目立たない)よう、アイメイクやウィッグやコスチュームに別の注目点要素を作る必要がありそうだ。
次に自分でメイクをしてみる。何気に先端恐怖症持ちだ。尖ったものが目を向いているとどうしても落ち着かない。アイラインを書くのがこんなに怖いと思わなかった。マスカラは何度も目に入れてしまった。完成する前に黒い涙がボロボロ頬を伝う(苦笑。初回は見るも無残な結果だった。
メイク落としまで一通り終えてから、スタッフさんから「帰ったらすぐに練習すること。やらずにいたらすぐに忘れちゃうから」とアドバイスをもらう。確かにやることが多過ぎて忘れてしまいそうだ。アイラインとアイシャドウどっちが先かとか(汗。
その後何度も夜中こっそり練習を繰り返した。その間女装サロンで用意してもらった基本メイクセットから「リサージ ブラッシュヴェイル」やら「コスメデコルテ マジーデコ」やら「ケサランパサラン」やらいくつか化粧品を自分で買い足したり、いろいろメイク本の方法を試している内に、気が付いたらメイク落としの『ビオレパーフェクトオイル』がボトル1本すっからかんになっていた。とびきりの美人ではないものの一応「それなり」の見栄えになったかなと自分では思っている。が、夏コミの環境では化粧崩れが心配だなぁ…。
■多くのイベントで女装が禁止されてる理由
一通りコスプレが完成し、何度か夜中こっそりテストはしてみたが、実のところそこでオシマイとなってしまっている。次の展望がないのだ。本当ならば誰にも言わずにこっそりコスプレイベントに参加したりして現場の流れを把握しておきたいところだが、多くのイベントでは男性の女装コスプレが禁止されている。禁止されていないのはコミケと例大祭くらいだ(汗。これにはいくつか理由がある。
女装ノウハウ本には「見るに堪えない中途半端な女装が多く、苦情が多いことから女装趣味が問題視されている」とあるが、これはあまり正しくない。もちろんそのようなネタ的な女装が多いのは確かだ。コミケのコスプレ広場を歩けばそういうコスプレをたくさん見ることが出来る。彼らには悪いがやはりキモいだろう。だが自由な表現を支えるはずのコスプレイベントが、不快というだけで女装禁止のルールを設けたりはしない。本当の理由は逆のところにある。
そう、むしろ逆の方が問題なのだ。醜いどころか目見麗しい女装の方がイベント側としては脅威なのである。女装はいわば性別判断の抜き打ちテストである。美しい女装を目にするということは、性別判断能力が試されていることを「本人の気付いていない状態」でテストさせられているのである。無意識に相手を「女性」と認識してしまえば、あとは注意して相手(女装した男性)を見なくなる。再び「ん?」と違和感を感じたりしなければ相手を男性だとは疑わない。要するに「女性にしか見えない女装男子」は女子更衣室や女子トイレに入り放題そして覗き放題という状況になるのだ。確かにこれはマズイ。イベント主催側として、女性に安心して参加してもらえる環境を維持するのは絶対条件だ。女装を許可するということは、女子更衣室や女子トイレへの入室時に性別チェックを厳密に行うコストを支払うということである。
大きなイベントであれば会場内トイレは参加者しか使わないだろうが、中小規模のイベントとなれば場所を借りるとはいえ、公共施設としてイベント参加者以外の一般市民もトイレを使用する。出入り口にスタッフが立って全員を性別チェックする訳にはいかない。またそのような場では「女性にしか見えない女装男子」は女子トイレはもちろん、男子トイレに堂々と入るのもそれはそれでトラブルの元となる。中小規模のイベントはその対応に手が回せないのだ。結果として女装が許容されるイベントは数が限られ、また女装可能な場所が限られていたりする。今年になって「オトコの娘」ブームが来ているとはいえ、現実のコスプレではなかなか肩身の狭い分野である。
ついでに付け加えると女装はイベント側だけの脅威ではなく、女装男子本人がターゲットにされるという脅威もある。前回のコミケの男子更衣室ではスタッフから「『オトコの娘』をされるみなさん、最近は女装を狙った盗撮が増えています!きちんとパンチラ胸チラの対策をお願いします!」というアナウンスがあったそうだ(汗。コスプレイヤーは美人でも醜くても盗撮されればネットの好餌とされる。いよいよ「オトコの娘」も襲われる対象になったようだ。まったく世も末である(お前が言うな。
女装ノウハウ本には「見るに堪えない中途半端な女装が多く、苦情が多いことから女装趣味が問題視されている」とあるが、これはあまり正しくない。もちろんそのようなネタ的な女装が多いのは確かだ。コミケのコスプレ広場を歩けばそういうコスプレをたくさん見ることが出来る。彼らには悪いがやはりキモいだろう。だが自由な表現を支えるはずのコスプレイベントが、不快というだけで女装禁止のルールを設けたりはしない。本当の理由は逆のところにある。
そう、むしろ逆の方が問題なのだ。醜いどころか目見麗しい女装の方がイベント側としては脅威なのである。女装はいわば性別判断の抜き打ちテストである。美しい女装を目にするということは、性別判断能力が試されていることを「本人の気付いていない状態」でテストさせられているのである。無意識に相手を「女性」と認識してしまえば、あとは注意して相手(女装した男性)を見なくなる。再び「ん?」と違和感を感じたりしなければ相手を男性だとは疑わない。要するに「女性にしか見えない女装男子」は女子更衣室や女子トイレに入り放題そして覗き放題という状況になるのだ。確かにこれはマズイ。イベント主催側として、女性に安心して参加してもらえる環境を維持するのは絶対条件だ。女装を許可するということは、女子更衣室や女子トイレへの入室時に性別チェックを厳密に行うコストを支払うということである。
大きなイベントであれば会場内トイレは参加者しか使わないだろうが、中小規模のイベントとなれば場所を借りるとはいえ、公共施設としてイベント参加者以外の一般市民もトイレを使用する。出入り口にスタッフが立って全員を性別チェックする訳にはいかない。またそのような場では「女性にしか見えない女装男子」は女子トイレはもちろん、男子トイレに堂々と入るのもそれはそれでトラブルの元となる。中小規模のイベントはその対応に手が回せないのだ。結果として女装が許容されるイベントは数が限られ、また女装可能な場所が限られていたりする。今年になって「オトコの娘」ブームが来ているとはいえ、現実のコスプレではなかなか肩身の狭い分野である。
ついでに付け加えると女装はイベント側だけの脅威ではなく、女装男子本人がターゲットにされるという脅威もある。前回のコミケの男子更衣室ではスタッフから「『オトコの娘』をされるみなさん、最近は女装を狙った盗撮が増えています!きちんとパンチラ胸チラの対策をお願いします!」というアナウンスがあったそうだ(汗。コスプレイヤーは美人でも醜くても盗撮されればネットの好餌とされる。いよいよ「オトコの娘」も襲われる対象になったようだ。まったく世も末である(お前が言うな。
■性的倒錯した変態紳士たちによる本気の遊び場
女装もフタを開けてみると様々なレベルが存在する。コスプレとして女性キャラも演じる男性レイヤー。女装にフェティシズムを感じる男性。普段から女装の趣味を持つクロスドレッサー。精神も女性としての自覚を持つトランスジェンダー。性転換手術を経るトランスセクシャル(ニューハーフ)。一定以上のレベルは女性としての性自認を持つ「生きるための女装」だが、あくまで男性としての立場から女装を楽しむ変態紳士もいるだろう。世間からはいろいろ拒否反応はあるだろうし折り合いは付けなきゃいけないけど、変態紳士は変態紳士として突き抜けてしまってもいいと思う。
今回コスプレを決意していろいろ調べてみた結果、本気で女性キャラのコスプレにハマっている隠れ男性レイヤーはどうやらたくさんいるらしいことがわかった。ネットの匿名コミュニティも存在する。精神性のレベルの差こそあれ、「あのキャラのコスチューム可愛いなぁ。自分も着てみたい」という感情はみな共通しているようだ。性自認や性の価値観で対立したりせず、同じ変態として意識を共有出来ているあたり、みんな実に紳士だと思う(汗。直接会って交流したいとは思わないが(ぉ。
自分もここまでフランクに挑戦してしまうとは思わなかった(ぉ。思えば中学の頃、文化祭の準備でみんな放課後遅くまで残っていたとき、クラスの変なテンションの盛り上がりで女子の制服スカートを穿かされて弄られているクラスの人気者の男子がいた。自分ではない。自分はクラスのみんなと一緒に彼を囲んで笑っていた。でも心のどこかで変に興奮していた気がする(汗。彼はそんな当時のことなど青春の1ページとして忘れてしまっているだろう。もしそのとき自分も同じように無理やりスカートを穿かされていたら、嫌な恥ずかしい思い出として自分も忘却していたと思う。厨房時代は見てるだけのオアズケだったが為に、今頃になって当時の意味不明な欲求が爆発してしまったのかも知れない…というか、こうして書いている時点できっとそうだ(大汗。
大人になってから爆発している変態紳士は社会人としての財力を駆使してシャレにならんくらいお金をかけている。コスパのフルオーダーメイドで10万円以上での受注製作とかザラにあるらしい。200着以上女性キャラのコスプレ衣装を持っている人もいる。しかもみんな「女装は容姿、若さ、経済力が全部必要だけど、若さと経済力は反比例する」ということをよーく理解している。だから今あるお金は今使う。みんなロクでもない脳内スイッチが入っていると言う他ない(汗。
だが一方で、女性はこうした変態紳士たちを見ると不思議な感情になるらしい。女装男子のなかには女性から「『女装』というのは楽しそうだ、女は『女装』が出来ないから羨ましい」と言われた人もいる(汗。オイオイとは感じつつ、やはり「男性の女装」は「女性の男装」以上に禁忌的であり、背徳的であり、倒錯的な濃密さがあるのかもしれない。それを楽しめるのは男性だけが持つ特権というワケだ。他人に迷惑を掛けず、法の範囲内において、変態は堂々と変態たればいいと思う。その方がきっとカッコイイ。ま、友達は減るかもしんないけどね(死。
今回コスプレを決意していろいろ調べてみた結果、本気で女性キャラのコスプレにハマっている隠れ男性レイヤーはどうやらたくさんいるらしいことがわかった。ネットの匿名コミュニティも存在する。精神性のレベルの差こそあれ、「あのキャラのコスチューム可愛いなぁ。自分も着てみたい」という感情はみな共通しているようだ。性自認や性の価値観で対立したりせず、同じ変態として意識を共有出来ているあたり、みんな実に紳士だと思う(汗。直接会って交流したいとは思わないが(ぉ。
自分もここまでフランクに挑戦してしまうとは思わなかった(ぉ。思えば中学の頃、文化祭の準備でみんな放課後遅くまで残っていたとき、クラスの変なテンションの盛り上がりで女子の制服スカートを穿かされて弄られているクラスの人気者の男子がいた。自分ではない。自分はクラスのみんなと一緒に彼を囲んで笑っていた。でも心のどこかで変に興奮していた気がする(汗。彼はそんな当時のことなど青春の1ページとして忘れてしまっているだろう。もしそのとき自分も同じように無理やりスカートを穿かされていたら、嫌な恥ずかしい思い出として自分も忘却していたと思う。厨房時代は見てるだけのオアズケだったが為に、今頃になって当時の意味不明な欲求が爆発してしまったのかも知れない…というか、こうして書いている時点できっとそうだ(大汗。
大人になってから爆発している変態紳士は社会人としての財力を駆使してシャレにならんくらいお金をかけている。コスパのフルオーダーメイドで10万円以上での受注製作とかザラにあるらしい。200着以上女性キャラのコスプレ衣装を持っている人もいる。しかもみんな「女装は容姿、若さ、経済力が全部必要だけど、若さと経済力は反比例する」ということをよーく理解している。だから今あるお金は今使う。みんなロクでもない脳内スイッチが入っていると言う他ない(汗。
だが一方で、女性はこうした変態紳士たちを見ると不思議な感情になるらしい。女装男子のなかには女性から「『女装』というのは楽しそうだ、女は『女装』が出来ないから羨ましい」と言われた人もいる(汗。オイオイとは感じつつ、やはり「男性の女装」は「女性の男装」以上に禁忌的であり、背徳的であり、倒錯的な濃密さがあるのかもしれない。それを楽しめるのは男性だけが持つ特権というワケだ。他人に迷惑を掛けず、法の範囲内において、変態は堂々と変態たればいいと思う。その方がきっとカッコイイ。ま、友達は減るかもしんないけどね(死。
■トゥーランドット姫の滑稽さに思いを馳せる…。(おわりに)
もうお気付きかもしれませんが、本書タイトルの元ネタは歌劇『トゥーランドット』のアリア『誰も寝てはならぬ』です。実はこれ、中国が舞台のお話だったりします。
中国の王女トゥーランドット姫に求婚する男は彼女の出す3つの謎を解かなければならない。解けなければ斬首──という御触れが出る。姫はこれでもって世の全ての男性に復讐するつもりであったが、ある男性がこの謎を全部解いてしまい、強制的に彼と結婚させられそうになる。彼女があまりに拒否するので、男性は「では明日の夜明けまでに私の名前を当ててみせて下さい。そうすれば結婚は諦めましょう」という提案をする。
トゥーランドット姫は北京の全住民に「今夜は誰も寝てはならぬ。求婚者の名前がわからなかったら住民は全員死刑とする」という命令を出す。その求婚した男性は「夜明けに私は勝利を収めるだろう」と歌う。
──という具合。
オペラの名曲として名高い作品ですが、何の知識もなくタイトルだけを聞くと何故かギャグのような笑いが込み上げてくるのは自分だけではないと思います(汗。本人は本気で怒っているのに、強制される周囲にはそのシュールさが滑稽に見えてくる。でも多分笑ったら殺されるので笑うのを必死で耐えている、みたいな。ギャグマンガの読み過ぎかもしれませんが。
ゲーム、マンガ、ライトノベル作品のオトコの娘キャラならともかく、現実に実践している女装男子も何かこれに似たような滑稽さが常に付きまとうような気がします。本人は楽しんでいても周囲は引いてる…。恐らくこれは宿命ですね(汗。表紙は『バカとテストと召喚獣』の木下秀吉ですが、彼に翁言葉で何か喋らせようと意図していたつもりが自分の『オトコの娘』としての本音がそのまま滲み出てしまったようです。
去年からコスプレ計画を着々と進めていたとはいえ、この原稿を書き始めたのは本来の新刊『カメラ小僧の裏話3』の完成を見送り、準備号を出すことに決めた7月末のギリギリの時期です。こちらはあくまで番外本なので、本来は本書の頒布を断念してでも裏話3を書き上げるつもりでした。時間はほとんどなかったので思い付くまま一気に書き上げたのですが…まさか3日間で書き上がってしまうとは(汗。裏話3は8ヶ月かけて間に合わなかったのに…orz でも、どんなカタチにせよ新刊を出せて安堵しています。次回は必ず裏話3完成版を出すぞ〜。冬コミに受かったときはまたよろしくお願いします。受かると良いなぁ…(祈。
最後に謝辞を述べさせて頂きます。
表紙のイラストは高崎かりんさんに描いて頂きました。今回も快諾して頂きありがとうございました。「女装男子」という指定で描くのが難しかったかもしれません(汗。「違うんだ、恥ずかしがってるけど男は『前を隠さない』んだ」とか意味不明な注文が多くてすみませんでした。当日コスプレ姿で献本しに逝くと思いますが、よろしくお願いします(死。
誌面デザイン・編集・印刷はののさんにお願いしました。「自ら行動しようとしている人を止めるようなことはしないよ〜」と生温いご支援を頂きありがとうございました。この本で苦笑して頂いた読者第1号です。その痛い眼差しは筆者冥利に尽きます(謎。
当日の売り子補助は庶務部長さん(予定)にお願いしました。まだ自分ががっつりコスプレすることは彼に伝えてないんですけどね(ぉ。笑って許してくれると信じていますw
さて、私事ですが先日弟が入籍致しました。もちろん結婚は彼の方が先です。弟はタキシード姿で永遠の愛を誓い、兄は女装コスプレして自爆本を売っているという構図。しかもそうやって楽しんでる自分が嫌いじゃないという始末。なんかもー、救いようがないですねぇ…。
2010年8月某日 職場のiMacにて
よろず評論サークル「みちみち」代表 みちろう
中国の王女トゥーランドット姫に求婚する男は彼女の出す3つの謎を解かなければならない。解けなければ斬首──という御触れが出る。姫はこれでもって世の全ての男性に復讐するつもりであったが、ある男性がこの謎を全部解いてしまい、強制的に彼と結婚させられそうになる。彼女があまりに拒否するので、男性は「では明日の夜明けまでに私の名前を当ててみせて下さい。そうすれば結婚は諦めましょう」という提案をする。
トゥーランドット姫は北京の全住民に「今夜は誰も寝てはならぬ。求婚者の名前がわからなかったら住民は全員死刑とする」という命令を出す。その求婚した男性は「夜明けに私は勝利を収めるだろう」と歌う。
──という具合。
オペラの名曲として名高い作品ですが、何の知識もなくタイトルだけを聞くと何故かギャグのような笑いが込み上げてくるのは自分だけではないと思います(汗。本人は本気で怒っているのに、強制される周囲にはそのシュールさが滑稽に見えてくる。でも多分笑ったら殺されるので笑うのを必死で耐えている、みたいな。ギャグマンガの読み過ぎかもしれませんが。
ゲーム、マンガ、ライトノベル作品のオトコの娘キャラならともかく、現実に実践している女装男子も何かこれに似たような滑稽さが常に付きまとうような気がします。本人は楽しんでいても周囲は引いてる…。恐らくこれは宿命ですね(汗。表紙は『バカとテストと召喚獣』の木下秀吉ですが、彼に翁言葉で何か喋らせようと意図していたつもりが自分の『オトコの娘』としての本音がそのまま滲み出てしまったようです。
去年からコスプレ計画を着々と進めていたとはいえ、この原稿を書き始めたのは本来の新刊『カメラ小僧の裏話3』の完成を見送り、準備号を出すことに決めた7月末のギリギリの時期です。こちらはあくまで番外本なので、本来は本書の頒布を断念してでも裏話3を書き上げるつもりでした。時間はほとんどなかったので思い付くまま一気に書き上げたのですが…まさか3日間で書き上がってしまうとは(汗。裏話3は8ヶ月かけて間に合わなかったのに…orz でも、どんなカタチにせよ新刊を出せて安堵しています。次回は必ず裏話3完成版を出すぞ〜。冬コミに受かったときはまたよろしくお願いします。受かると良いなぁ…(祈。
最後に謝辞を述べさせて頂きます。
表紙のイラストは高崎かりんさんに描いて頂きました。今回も快諾して頂きありがとうございました。「女装男子」という指定で描くのが難しかったかもしれません(汗。「違うんだ、恥ずかしがってるけど男は『前を隠さない』んだ」とか意味不明な注文が多くてすみませんでした。当日コスプレ姿で献本しに逝くと思いますが、よろしくお願いします(死。
誌面デザイン・編集・印刷はののさんにお願いしました。「自ら行動しようとしている人を止めるようなことはしないよ〜」と生温いご支援を頂きありがとうございました。この本で苦笑して頂いた読者第1号です。その痛い眼差しは筆者冥利に尽きます(謎。
当日の売り子補助は庶務部長さん(予定)にお願いしました。まだ自分ががっつりコスプレすることは彼に伝えてないんですけどね(ぉ。笑って許してくれると信じていますw
さて、私事ですが先日弟が入籍致しました。もちろん結婚は彼の方が先です。弟はタキシード姿で永遠の愛を誓い、兄は女装コスプレして自爆本を売っているという構図。しかもそうやって楽しんでる自分が嫌いじゃないという始末。なんかもー、救いようがないですねぇ…。
2010年8月某日 職場のiMacにて
よろず評論サークル「みちみち」代表 みちろう
■参考文献
尾花けい子, 『尾花けい子のメークの常識・非常識』, 小学館, 2008年
三葉, 『オンナノコになりたい!』, 一迅社, 2007年
三葉, 『オンナノコになりたい! コスプレ編』, 一迅社, 2008年
女装普及委員会, 『オトコの娘のための変身ガイド—カワイイは女の子だけのものじゃない』, 遊タイム出版, 2008年
千吉良恵子, 『千吉良恵子の可能力メイク』, ワニブックス, 2008年
吉永真悟, 菘あつこ, 『続オトコの娘のための変身ガイド—女声で歌う しぐさで魅せる』, 遊タイム出版, 2009年
三葉, 『オンナノコになりたい!』, 一迅社, 2007年
三葉, 『オンナノコになりたい! コスプレ編』, 一迅社, 2008年
女装普及委員会, 『オトコの娘のための変身ガイド—カワイイは女の子だけのものじゃない』, 遊タイム出版, 2008年
千吉良恵子, 『千吉良恵子の可能力メイク』, ワニブックス, 2008年
吉永真悟, 菘あつこ, 『続オトコの娘のための変身ガイド—女声で歌う しぐさで魅せる』, 遊タイム出版, 2009年
■奥付
【誌名】誰 も 引 い て は な ら ぬ 女装男子研究本
【発行年月日】2010年8月15日 コミックマーケット78 初版
2011年8月14日 コミックマーケット80 第二版
2012年12月31日 コミックマーケット83 第三版
【構成・執筆】みちろう
【イラスト】高崎かりん
【誌面デザイン・編集】のの
【印刷】大陽出版株式会社
【発行サークル】みちみち
【発行責任者】みちろう
【ウェブサイト】http://miti2.jp
【連絡先】circle@miti2.jp
※本書内容の無断転載は固くお断りします。
【発行年月日】2010年8月15日 コミックマーケット78 初版
2011年8月14日 コミックマーケット80 第二版
2012年12月31日 コミックマーケット83 第三版
【構成・執筆】みちろう
【イラスト】高崎かりん
【誌面デザイン・編集】のの
【印刷】大陽出版株式会社
【発行サークル】みちみち
【発行責任者】みちろう
【ウェブサイト】http://miti2.jp
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※本書内容の無断転載は固くお断りします。
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