よろず評論サークル「みちみち」

●カメラ小僧の裏話4 まともで上手いカメラマンの捕まえ方(全文無料公開)

『カメラ小僧の裏話4 まともで上手いカメラマンの捕まえ方』表紙

下記の文章は、2011年8月14日、コミックマーケット80で発表した『カメラ小僧の裏話4 まともで上手いカメラマンの捕まえ方』の全文です。(図解、挿絵除く)
図解、挿絵の入った完全版の冊子を希望される方は、ぜひ COMIC ZINによる委託販売 をご利用ください。
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■はじめに

 トゥットゥルー、みちろうでーす。この度は(この度も)本書をお手に取って頂き誠にありがとうございます(`・ω・´)ゞビシッ!! 気が付けばサークル活動を始めて3年目、発行した本も通算7冊目になりました。まさか当選すると思っていなかった2009年の夏コミから、5回連続で作品発表の場を与えて頂いたことに筆者自身が一番驚いています。

 今回はコスプレ初心者の立場から「キレイな写真を撮ってくれるカメラマン」と"安全に"知り合う方法を模索してみました。コスプレを始めたばかりの女の子にとって、自分の写ったキレイな写真を手に入れる=キレイに撮ってくれる人と知り合う──がまず最初の難関になります。しかし見ず知らずの男性(多くは年上)の中からまともな紳士を探すのは容易ではありません。
 探される立場のカメラマンからしてみれば「どういうときに初心者のコスプレイヤーと撮影していたか」を考えることになるのですが、出会う前に様々な障害回避や努力の蓄積があったはずで、それを無理矢理方法論にまとめたものが本書となります。
 やはり撮る側からすると「美人有利・ブスは無視される」は事実ですし「仕組みを知らないと喰いモノにされる」という現実も言及しなければなりません。その意味では少し攻撃的な内容となりました。刺されないといいなぁ。

 結論的な内容は本文に譲るとして、今回の本では「女社会の序列意識」「魅力とは何か」「男女の支配関係」を明け透けに書き連ねました。さすがみちろう!誰もが口にしがたい事実を平然と言ってのけるッ そこにシビれる!あこがれるゥ!と感じて頂ければ幸いです(汗。

2011年8月14日 コミックマーケット80にて
みちろう

■目次

はじめに
目次
Chapter.1 ゴミクズ以外のカメラマンがいない!
Chapter.2 コスプレはキャバクラ社会である
Chapter.3 人気ヒエラルキーのトップを目指そう!
Chapter.4 捕まらないなら子飼いにすればいいじゃない
おわりに
奥付

■Chapter.1 ゴミクズ以外のカメラマンがいない!

□写真が欲しい!でも自分では上手く撮れない!
 デジカメを使えば自分たちで写真が撮れる時代に、カメラ小僧など不要ではないか、誰しもが抱く疑問である。まずはそれに答えるためにコスプレにおける撮影のニーズを見ていこう。コスプレイヤーはイベント会場にいるカメラ小僧をどのように感じているだろうか? 聞くまでもない。ゴミのような存在だと思っている。いや、ゴミに失礼か(ぉ。バウムクーヘンの穴並に不要な存在だと思われていると考えて差し支えないだろう。
 だが「恥垢と痰を混ぜたもの。それがお前だ」と言われかねないカメラ小僧たちのなかにも、その存在を許される人たちがいる。唯一の存在意義である「撮影」の腕を買われた人たちだ。彼らのこと(だけ)をコスプレイヤーは敬意を表し「カメラマン」と呼ぶ。多くはコスプレを撮影したらそのままサヨナラ──と撮り逃げしていくカメラ小僧たちばかりだが、なかにはマメに撮影した写真データを提供してくれる人がいる。さらにその一握りの中には目を見張るキレイな写真を撮ってくれる頼もしいカメラマンがいる、という寸法だ。

 一方でコスプレイヤーにもいろいろな考えを持った人たちがいる。イベントに来る目的も様々だろう。自分のコスプレ写真が欲しい人もいれば、変身すること自体で十分満足する人もいる(まぁ、隠れて活動するコスプレイヤーにとっては撮られると困るという人もいるかもしれない)。写真を必要とするコスプレイヤーに限って言えばの話だが「キレイな写真を撮ってくれるカメラマン」はお互いの利害が一致する存在なのだ。(もちろん、それ以外のカメラ小僧が「下郎め、寄るでない」的扱いなのは言うまでもない)

 コスプレ文化が広がりを見せるにつれて衣装やシチュエーション、ロケーションなどの凝ったコスプレ写真を見る機会が増えてきた。特にコスプレ専門情報誌が登場した頃からグラビアページの凝った写真に発起されて「作品撮り」をしたいという動きが出てきたように見える。コスプレイヤーとして自分で凝ったコスプレや完コスに取り組むことは出来ても、撮影の知識や機材の準備まではどうしても手が回らない。撮影スタジオを借りるにしても勝手がわからない。料金が高額など単独では限界がある。そこでカメラマンの力を借りたいという訳だ。
 現在ではコスプレ撮影とその環境作りのワークフローがある程度定型化されており、撮ってくれるカメラマンさえ見つかれば、その仕組みを利用して安価に凝ったコスプレ撮影をすることが出来る。カメラマンに撮ってもらうパターンとしてはコスプレ撮影会や撮影に特化したコスプレイベントなどがあるが、よく使われる形態としてシェア撮というものがある。
 シェア撮とはコスプレイヤーとカメラマンという撮影ペア単位で集まり、一つのハウススタジオを共有(シェア)する撮影会のことである。一般的に呼ばれている「撮影会」とは異なり、シェア撮では撮影ペアそれぞれが独立して個別の撮影(個人撮影)を行う。
 レンタルスタジオを一組で借りるには金銭的負担が大きく、また一対一の個人撮影で使う場合は時間的にも空間的にも持て余してしまう。そこで同じハウススタジオを使いたい人を募集し、共同で借りることで高額なレンタル料金を折半するのである。
□「撮影を頼めるカメラマン」に出会うのは難しい
 今ではあちこちの撮影スタジオや公共施設でシェア撮が広く行われており、コスプレイヤーズアーカイブやCure、mixiコミュニティなどのシェア撮募集コミュニティを通して参加することが出来る。
 だがコスプレを始めたばかりの初心者にとっては、この「カメラマンを見つける」が難しい。多くの場合コスプレデビューするのは中高生〜20代の女子だ。そう簡単に身の回りに写真が趣味でコスプレ撮影を頼めそうな知り合いはいない。自分自身で撮れれば何も言うことはないのだが、キレイな写真を撮れるようになるまではそれなりに機材も訓練も必要だ。そこまでの労力を新たに割く訳にもいかず、その意味では友人にも頼みにくい。結局のところ、既に会場にワンサカいるカメラ小僧の中から頼めそうなまともなカメラマンを探すということになる。
 だが闇雲に探すのではまるで浜辺で砂金を探すようなものだ。コスプレイヤーがカメラマンを探すということは、要するに中高生〜20代の若い女子が協力してもらえるような年上の男性を探すということである。付け加えるとすればカメラマンとは別に友達になる訳でも恋愛対象になる訳でもない。変に勘違いを起こして粘着されたりするようでは困る。気軽に撮影を頼める関係であり、かつ撮影者と被写体の関係として接してくれる人、さらに十分に撮影が上手くキレイな写真を提供してくれる人となると、状況は一気に『ウォーリーをさがせ!コスプレ広場編(ただし誰がウォーリーかは不明)』となる。
□知らない男にホイホイ付いて行っちゃうのかよ!?
 昨年コスプレイヤーの間で話題になったのだが、『裏モノJAPAN』という雑誌の特集においてCureやらコスプレイヤーズアーカイブなどのコスプレイヤー向けSNSが「簡単に騙せてヤれる女が集まるサイト」として紹介されていたことをご存知だろうか。
 女子コスプレイヤーは総じて「出会い目的でコスプレなんかしてねーよ」「こんなナンパ野郎に引っかかるかよカス」という反応だったが、実際には奥手で大人しい性格だったり、BLやコスプレの趣味になんとなく引け目を感じていたりする「素直で控えめで真面目で地味な子」が結構ターゲットというかカモにされている現実がある。コスプレを始めて間もない女の子が、ちょっとイケメン風のカメラ小僧に自分の趣味や考えを肯定されたり、可愛い可愛いとちやほやされたりすると簡単に舞い上がってしまう。男に不慣れだったり押しに弱い女の子だと、おだてられて気分良くしたところを一方的に押し切られてしまうのだ。マジな話、あの雑誌は半分真実が書かれていて本気でヤヴァイのである。

 そんなバカな!と思われるかもしれない。だがコスプレ初心者の集まるコミュニティやSNSなどでは、コスプレの質問や相談に混じってカメラマンについての危なっかしい相談を見かけるのだ。よくあるのは以下のようなものである。

「いつも一人でイベントに行ってるのですが、どうしたらカメラマンさんとお知り合いになれるのでしょうか?」
「SNSに登録したらカメラマンの人にスタジオ撮影に誘われたんですが、カメラマンさんとの交流ってそんなものなんでしょうか? キレイに撮ってもらえるならぜひ行きたいんですが…。」
「イベントで写真を撮ってもらったカメラマンの方に、こちらからCureで話しかけるのは不自然でしょうか?「ウザい」と思われたりしないでしょうか?」
「ロケーションの撮影をしたいのですが、イベントで会うだけのカメラマンさんに撮影を依頼しても大丈夫ですか? もちろん移動費や食事代とかはこちらで出すつもりです。」
「撮影会でカメラマンで参加する人がいる場合、参加費を等分に負担してもらうものでしょうか? それとも撮ってもらう立場として、コスプレイヤー側が負担するものでしょうか?」
「SNSを通じてあまり関わりたくないカメラマンからメールが来るようになったのですが、返事をしない方がよろしいでしょうか? しなくても問題になったりしませんか?」
「カメラマンさんにブログに載せて頂いた写真のなかに、まばたきをしてしまった酷い顔のものがありました。出来ればその写真を外して欲しいのですが、こちら側の責任で失敗しているものを削除して欲しいとお願いするのは失礼に当たりますよね? 謝罪してその写真だけ削除してもらうことはマナー違反にならないでしょうか?」

コスプレを始めたばかりの初心者にとっては見るものすべてが新しい世界のはずである。郷に入っては郷に従えというように、まずはその空間でのルールやマナーを少しでも知っておきたいという気持ちがあるのだろう。上記のような相談内容からは、そのような気持ちが滲み出ているように見える。
 だが一方であまりにも性善説というか、他人を信頼し過ぎるというか、世間を知らないのだなという印象を受けざるを得ない。いや文面は極めて礼儀正しいのだが、見ていて危なっかしいのだ。カメラマンが誰でも女慣れしている大人なワケではないし、まして紳士なワケではない。あわよくばヤっちまおうというクズだってたくさんいる。

「じゃあオレが撮ってあげるよ」
「わぁー!ありがとうございます!」←マジ喜び

なんて一瞬にしてカモにされるのがオチだ(汗。男は狼なのーよー♪ 気を付けなさーいー♪ 年頃にーなぁったなーらー♪ 慎みなさーいー♪ いやまじで。
 実際ネットで「このような被害に遭いました」という報告を見ていると、結構「撮影すると言うから付いて行ったらラブホテルで、しかも言葉巧みに衣装脱がされて何時間もヌード撮影された」という「さすがにお前馬鹿じゃねww」的なものが少なくない(汗。
 女をカモ扱いするスティンガー(チ○コを刺す者)でなくとも、高確率で勘違いウブ男を拾ってしまうもの。多くのカメラ小僧はカメラを持つまでロクな女性経験がないので、女子コスプレイヤーから頼りにされると頭の中で「何かのスイッチ」が入ってしまう。こうなると粘着が始まる。
 一度粘着されるとかなり厄介である。相手の行動が犯罪レベルであれば対処のしようもあるが、微妙に「大きなお世話」程度の親切が延々と続くのだ。対応にミスると自分のコスプレイヤー仲間からも「この人がウチらの専属カメラマンでよくね?」的な空気となる。そのうちそのカメラ小僧が「オレが撮ってやってるから君らは写真が手に入るんだ」と幅を利かせるようになる。はいはいそーですか。

 このような相談や被害報告を見ていると、コスプレ初心者には社会をまだ知らないような若い中高生世代の少女が多いという印象である。一般論としての「知らない男には警戒しなさい」が抜けていることもあるが、相談内容自体もネチケットや人間関係そのものに対するものが多い。人との交流もSNS上でのやり取りもおっかなびっくりで接しているようだ。
 コスプレという活動が一般的なオタク趣味として浸透するにつれ、どんどん若い女子が参加するようになってきている。多くは女子中高生だ。親と一緒にではなく、自分たちで衣装を調達してイベントに参加し、そこで友達を作るようになっている。その上で人間関係に思い悩むことを相談しているという構図だ。
 だが年上の男性(ここではカメラ小僧)との交流は潜在的に性的な危険を伴う。相手が男性である以上、誰でも性欲は持っており100%の安全はない。ステキなカメラマンと知り合いたい気持ちは分かるが、女子中高生全員に(男性をあしらう)大人と同じ対応力を求めるのは無理があるだろう。アドバイスするにしてもカメラ小僧は常に危険な存在という注意にせざるを得ない。
 一方でこれは誰でも最初はそうであろう。大人になるにつれて知らず知らずのうちに人との距離感の取り方や、ネット上でやり取りされる情報のうさんくささ、男は誰でも性欲があるみたいなことを感覚的に学ぶようになる。コミュニケーションスキルと言い換えてもいいだろう。コスプレ初心者の特に若い女子にとって、社会経験の少なさからくるコミュニケーションスキル不足がスティンガーやウブ男を掴んでしまう失敗に繋がっているのである。
□そもそも誰からも見向きされない(理由:ブス)
 前節ではカメラマンと知り合うつもりがスティンガーにカモにされたり、ウブ男の粘着スイッチを入れたりしてしまう主原因の「コスプレ初心者のコミュニケーションスキル不足」について書いたが、「撮影を頼めるカメラマンと知り合うことが困難な理由」はそれだけではない。これまでは「イベントで一度でもカメラマンに撮ってもらい、そこで交流があった場合」の話だが、そもそも誰からも見向きされないコスプレイヤーだって存在する。有り体に言ってしまえば本人がブスだから相手にされないケースだ。
 イベントに来るカメラマンは個人的な趣味の活動である以上、当然撮りたいものしか撮らない。直接的な知り合いのコスプレイヤーでない限り、何か撮りたくなる要素がなければカメラを向けようとは思わないものである。
 直接知り合いではないコスプレイヤーだとしても、カメラマン側が撮りたくなる要素とは(バカ正直に言ってしまえば)以下のようなものだ。

・エロコス(衣装もスタイルもおっぱいも全部エロい)
・超美人(ロリ顔含む)
・有名コスプレイヤー(あえて誰とは言わない)

改めて言及しなくても「うん、知ってた」という感触だと思う。逆にすべて反転させると「撮りたくならない要素」となる。

・男装(衣装もスタイルも全部BLっぽい、おっぱいは潰す)
・超ブス(デブ、ケバ含む)
・逆の意味で有名コスプレイヤー(あえて誰とは言わない)
・デビューしたばかりの無名コスプレイヤー

…うん、知ってた。だよね。だが魅力不足もカメラマンと知り合うためには障害となる要素である。イベントで声を掛けられたことがなければ、それだけ良い出会いの確率は減ってしまう。魅力のない女子から撮影を依頼されたとしても、カメラマン側も正直乗り気にはならないだろう。撮ってもらえるチャンスも減ってしまうのである。
 かなり「カメラマン側からの上から目線」での物言いとなってしまったが、何もコスプレイヤーに対して「エロい格好をしろ」「美人以外はコスプレするな」と言っている訳ではない。あくまで「面識がなかったとしても撮りたくなる要素」の話だ。この場合はどうしても見た目での判断となり、出会う上では外見の魅力不足はそれだけで不利な要素となるのである。
 失礼だと言われようともブスは誰も撮らないし、頼まれても撮る気にならないのは紛れもない事実だ。誰も趣味で堪えがたきを堪え、忍びがたきを忍び撮影に応じるカメラマンはいない。ぶっちゃけコスプレ初心者の女の子から「頼めるカメラマンがいないんです」という相談があったとしたら、まずその相談する女の子のルックスを確認しないことには的確なアドバイスは出来ないだろう。竹達彩奈のような顔と高見盛のような顔では回答が180度違うのである。
□やられっぱなしの初心者よ!ルールを知り、武器を取れ!
 コスプレ活動をするにおいて、作品撮りなどの凝った撮影をする場合はカメラマンの協力が必要となる。だが初心者、特に中高生から20代の女子にとって年上の男性との交流を深める上では「エッチなトラブル」に注意が必要だ。要するにコスプレ初心者はレイプやストーキングに遭うリスクが常にある。どのようにしたら「安心して撮影を頼めるようなまともで上手いカメラマン」と知り合うことが出来るかがコスプレ活動をする上での最初の難関となる。
 実際には結構な頻度でカモにされたり、不用意なやり取りで粘着を作ってしまったりする。それぞれの相談ケースを見ていると、なんとも女子コスプレイヤー側のコミュニケーションスキルが稚拙で危なっかしい。だが社会に出て最初の頃は誰もがそのような状態だったはずである。まずはコスプレイヤーとしてデビューすることが「ずるい大人たちの社会」に飛び込むことだということを理解し、その大人の社会の仕組みを知ることが必要だ。Chapter.2ではその知っておくべき仕組みについて解説していく。
 もう一つの「カメラマンと知り合えない障害」として、デビューするコスプレイヤー自身の魅力不足を避けて論じることはできない。魅力がなければ人は寄ってこない。いくら社会のルールを知っていても武器がなければ戦えないのである。Chapter.3では人を惹き付ける武器を提供することとしよう。

■Chapter.2 コスプレはキャバクラ社会である

□恋愛以外の男女関係は本質的にキャバクラである
 コスプレイヤーがカメラ小僧たちのことを「ゴミカス同様の存在」と思っていると書いたが、カメラマンはカメラマンで、女子コスプレイヤーたちのことをどのように見ているか考えてみよう。
 可愛いコスプレイヤーに群がり、ブスは一切見向きもされないことは紛れもない事実である。言い換えれば完全に撮る対象として見ており、被写体として価値があるか? このコスプレイヤーと交流するメリットはあるか? ルックスや身体のシルエットなど女としての魅力を値踏みしているということだ。知り合いになれば親しくもなるので外見評価が絶対とまでは言わないが、基本的に「被写体として○点」という感覚でコスプレイヤーをランク分けしている。そして及第点以下の女子コスプレイヤーは自動的に視界に入らない。要は男女ともお互いに

「上手いカメラマンには写真を撮って欲しい。それ以外は死ね」
「80点以上の美女コスプレイヤーは撮らせて欲しい。それ以外は死ね」

と思っている。一定ランク以下のゴミ層やブス層には一切敬意も情けの欠片もない。実力主義のビジネスライクな空間。お互いバーターがどう成立するか打算の関係であり、決して友人関係ではないということだ。相手にメリットがないと付き合わない。それが男女間で行われる。まぁ、キャバクラのキャスト(要するにキャバ嬢)と客のようなものという認識で差し支えないだろう。世の中そんなもんである。
 コスプレの世界に来る男性層(カメラ小僧も男子コスプレイヤーも)と女子コスプレイヤーの関係は基本的に恋愛に発展することを目的とした男女の出会い、マッチングではない。むしろお互い有用なバーターの出来る交渉相手を捜すような空間だ。女子コスプレイヤーが被写体として撮影に応じることと、カメラマンがキレイな写真を提供出来ることで双方の利害が一致するのである。
 女子コスプレイヤーにとっては「キレイな写真」が手に入ること、つまりそれを提供出来る力量のあるカメラマンが必要であり、キレイな写真を撮ってもらえるならカメラマンの撮影要望(ときには個人的な二人だけの撮影など)に応じる、自分のルックスと愛想を売るというバーターである。
 カメラマンにとっては可愛いコスプレイヤーと仲良くなれる、二人で凝った撮影が出来る、楽しい時間を過ごせることを望んでおり、そのためならいくらでもキレイに撮って差し上げますよ、私の腕でよければ撮影技術を売りますよというバーターだ。
 お互いコスプレイベントやコスプレ撮影会などでは自分の望む等価交換関係が作れる相手を捜しており、出会った相手と条件が折り合うか交渉しているのである。女子コスプレイヤーは相手のカメラマンを

「コイツの写真データ使い物になるかなー?」
「(写真が上手いのなら)コイツだったらタダで撮らせてやってもいいかなー?」

という値踏みをし、カメラマンはカメラマンで

「オレに撮影を頼みに来るなら、90点以上の10代美少女であることが条件だ」
「寄ってくる女は腐るほどいる。20代のババアを相手にしてるヒマなんぞねぇ」

という感覚で待ち構えている。まぁ中には撮影の腕が中堅ランクのカメラマンもいる訳で、そういう人は撮影に応じるランクを下げている。20代後半で60点程度のコスプレイヤーでも撮ってくれる人もいるだろう。また往々にして男性側が下手(したて)に出て「必要経費はオレが出すよ」という場合も多いだろう。点数の高い女であれば男が財布役になってくれる。その場合はラッキーと思っておけばいい。お金を出してくれなかったとしたら貴女はその程度の点数だということでもあるのだが。
□ピュアな心をお持ちの方は入店をお断りさせて頂いております
 コスプレの世界はキャバクラのような空間であり、コスプレイヤーとカメラ小僧はキャバ嬢と客のような関係である。キャバ嬢は自分のルックスと営業力で指名を集め、売り上げを出す。同じように女子コスプレイヤーも実力があればあるほどカメラ小僧からの人気度が上がり、取り巻きが増える状況になる。
 なかには経験の浅いキャバ嬢を喰いモノにするホストのようなカメラ小僧もいることはChapter.1で書いた通り。言い訳とかさせちゃダメっしょー? 個撮ならきっちり全部脱がさないとー。女って以下略というパターンは数知れず。
 また厄介なことに、なかには自分がキャバクラに通う客なのだという感覚のないカメラ小僧もいる。要は男の方がピュア過ぎて、コスプレイヤーからすると営業トークのつもりがカメラ小僧の恋愛スイッチを入れてしまうのだ。これが本当のキャバクラであれば、ハマってお店に通い詰めてくれる大切な指名客(カモ)ゲットというところだが、コスプレの世界ではただの粘着となってしまう。
 整理するとこの世界は「喰って喰われての大人の世界」にカモ同然の子供もどんどん迷い込んでいるようなカオスな空間だ。男女間または女性同士の利害対立の構図にエッチなトラブルのリスクが加わっている。そしてこの状況を理解していない輩が男女ともに大量に存在しているのである。
□人気ヒエラルキーと女子派閥の自動形成システム
 カメラ小僧側、男からの視点がそのような認識だとして、では同じ女子コスプレイヤー同士ではどのように考えているか考えてみよう。
 女性だって男が女に点数を付けていることは知っている。その点数の差で男の反応が露骨に変わってくることも知っている。お互い品定めをする関係だ。そしてそれは女性同士での強烈なヒエラルキー意識を想起させる。誰も人類皆平等など信じてはいないのだ。
 美しさ、若さ、愛想の良さなどが総合的に評価されて女子コスプレイヤーの人気度となる。人気が高ければカメラ小僧の取り巻きが増えるだけでなく、コスプレ写真集を売り出すチャンスや、メディアに取り上げてもらう機会にも恵まれる。ブログのアクセス数も爆発的に増えるなど様々なメリットが出てくるのである。Amebaなどから有名ブロガー向けのシークレットイベントの招待状が届いたりすることもだろう。晴れてリア充の仲間入りだ。
 ちなみにこの人気ヒエラルキーには、女子コスプレイヤーとしてデビューした時点で強制的に組み込まれる。上手いカメラマンを探していようがいまいが、写真に撮られたいか撮られたくないかに関係なく「貴女の人気度は全体から見て中の下」みたいにランキング順位が決まるのである。美人はただそこにいるだけで人気ヒエラルキーの上位に位置してしまう。撮られたくないにもかかわらずカメラ小僧に囲まれるようなウザイ事態もあるだろう。

 ヒエラルキーというと下位層が上位層を嫉むドロドロ展開がまず想像出来るが、実態は複雑である。先ほどこの世界はメリットのないヤツとは付き合わないシビアな空間だと書いたが、それはこの女子コスプレイヤー同士でも成立する。上位層の人と交流することでその人気に取り入り、自分がのし上がろうとする女子コスプレイヤーが出てくるのだ。
 実際努力して自分がコスプレイヤーとして評価され始めると、何度か顔を見たことがあるだけ程度の人が急に目をキラキラさせて挨拶に来るなんてパターンもある、っていうか筆者自身がそのやり取りの現場を目撃してその人の豹変振りに引いた。他人を利用する気マンマンである。付き合い方を間違えて相手に「コイツ使えない」と判断されると、手の平を返して音速で悪評が広がるので注意が必要だ。
 逆にそこである種のバーターが成立すれば、その人気コスプレイヤーを中心に女子の取り巻きが形成される。女子の取り巻きはカメラ小僧の取り巻きとは違い、人気ヒエラルキーの一角を成す派閥となる。付き合い方を間違えると一気に吊るし上げられてしまうので注意が必要だ。
 人気ヒエラルキーの上位に上れば上手いカメラマンと出会うチャンスも増える。様々なメリットがある反面、同性間のドロドロを引き金に炎上するリスクも出てくるのである。女子同士だからといって、いや女子同士だからこそ自己防衛が必要だということを理解しておこう。
□まともで上手いカメラマンは自分の独占所有物という感覚
 ここまで読んで、単純に「上手いカメラマンは特定のコスプレイヤーだけを撮影している訳ではないし、撮る人を一人に限定しなければならない決まりもないのだから、コスプレ初心者に紹介すればみんなハッピーになるのでは?」という疑問を持つかも知れない。だがこれは成立しない。そもそも上位層の人気コスプレイヤーは上手いカメラマンをみすみす初心者に教えたりしないのである。
 良い取引相手は他人に教えないということ以上に、カメラマンは自分を慕ってくれる「男」なのだ。キャバクラの例えを思い出して欲しい。あくまで「客」なのだが、一方で「どのくらい男が慕うか」が人気のバロメーターでもある。恋愛対象外であることには変わりはないが、自分を慕う男(指名客)は自分の持ち物、しかも独占所有物という感覚があるのである。自分の独占所有物なのだから他人と共有したりは絶対にしない。俺のものは俺のもの、お前のものも俺のものである。女は基本的にジャイアニズムだ。
 だから人気コスプレイヤーは上手いカメラマンをたくさん知っているからといって、彼女らに「上手いカメラマンを紹介してもらえませんか?」とお伺いを立てるのは意味がない。一方で自分の所有物でないような不要なカメラ小僧(クズやヘタクソ)を初心者に押し付けるようなことも(自分の評判が下がるので)しない。結局当たり障りのないアドバイスでお茶を濁すことになるのである。
 よくコスプレ関係のSNSでカメラマン関係の質問が挙がり、その度に曖昧な回答が繰り返され、最終的に「じゃあ俺が撮ってあげるよ」的なクズが湧いてgdgdになるのはその為である。
□カメラマンのなかにも「良い獲物」と「悪い獲物」がいる
 コスプレを撮るカメラ小僧には、大勢のヘタクソ、粘着、スティンガーがいることは説明したが、実はごく一部のまともで上手いカメラマンのなかにも、女子コスプレイヤーから見ての「良い獲物」と「悪い獲物」がいる。順を追って説明しよう。
 キャバクラではキャスト(キャバ嬢)が客を接客してお金を落としてもらうシステムである。お店側に一番喜ばれる客というのは、定期的に遊びに来てくれる大人の客だ。特定のキャバ嬢に熱を上げてガンガン貢ぐカモも喜ばれることは確かだが、金がなければ長続きせずに潰れてしまう。借金地獄になるかどうかはそのカモのハマり具合次第だが、店側としては潰れて来なくなるくらいなら生かさず殺さず毎月稼いだ分を毎月お店に落としてくれた方がいい。実際キャバ嬢としても、そういう優良な指名客をたくさん持つことが長期的に売れ続けることに繋がるのである。
 その為には接客の微妙なさじ加減が必要だ。客がのぼせず、本気に惚れ出さない程度に距離感を置きつつ、一方で自分から離れていかないように首輪を付けておく。理想的なのは最初から女性経験がそれなりにあり遊び慣れてる大人の男性だ。ウブな男の子は勝手に自滅しやすいので出来れば最初から適当にあしらいたい。お金を持ってそうならむしれるだけむしるだろうが、そうでなければ「アンタは(貧乏なクズ客なんだから)こんなお店に来ちゃダメよ」と優しく諭されるのがオチだ。
 同じようなことがコスプレの世界でもいえる。ここでは長期に渡って撮ってくれるような、そこそこドライな関係になれるかどうかである。恋愛スイッチが入ってしまう勘違い君はもちろんだが、一方で「なんかコキ使われてる…」と気付く敏感な人もすぐに離れていってしまう。また打算の関係ということを知っているくせにさも親しい友人のつもりで距離感を詰めてくるカメラマンもいる。おいおいおい、アンタとは友達でもなんでもないんだよ? なんで撮影以外で遊びに付き合わされるのさ。という雰囲気になるとこれも長続きしない。
 逆に客は客のつもりなのにキャバ嬢側が「優良物件発見!コイツ落として玉の輿ぃ〜」状態になるパターンもある。望んでないのに女子コスプレイヤーが熱烈アプローチをしてきてカメラマンがウザイ思いをする場合もある、らしい。何れにせよ「あくまでお互い打算の関係」とそこそこドライな関係が前提のこの世界では、片方が熱を上げると上手くいかなくなるのである。
□この構造を知らないとカメラマンを捕まえることは難しい
 ここまでコスプレの世界をキャバクラに準えて見てきたが、初心者は(特に10代の女子中高生は)意外とこの構造に気が付いていないのではないだろうか。他人を利用することしか考えていないとまで言い切るとアレだが、気持ちの大半部分が打算で動いている人が殆どである。情を期待すると裏切られると覚悟しておいた方がいいだろう。コスプレ初心者が上手いカメラマンを捕まえる為には、それを前提として作戦を練る必要がある。
 初心者の置かれた状況とは人気度が評価される前の状態であり、ここでは人気ヒエラルキーを無視して行動することは許されない。無理矢理無視して行動することも出来なくはないが、一人狼として活動していくことを覚悟しなければならないだろう。2chで叩かれても泣かない不屈の精神がいる。
 また初心者だからといって他人は正確な情報をくれない。男性だろうが女性だろうが、自分に利益のくるポジショントークしかしないのだ。女性にとっては上手いカメラマンは自分の独占所有物であり、質問や相談には当たり障りのないアドバイスに終始する。男性にとっては相談してくる時点でそのコスプレイヤーがカモにしか見えない(汗。可愛い子であれば「じゃあオジサンが撮ってあげるから一緒に行こうか」とお持ち帰りコースとなる。
 初心者だからといって甘えられる余地はないのだが、逆に堂々と自分たちも自分たちの利益の為にポジショントークを考えればいいのである。他人をコキ使うえげつなさは考えものだが、どうすればカメラマンに興味を持ってもらえるか、気軽に撮影を頼める関係になれるか、女子コスプレイヤーとしてそのくらいのしたたかさは持っていても許されるだろう。権利は最大限行使すべきだ。
 ん? 本書に書かれてあることはどうなのかって? マジレスすれば、男女どちらのポジショントークでもない有用な情報を提供しているように見せかけているが、結局のところどんな文章も書き手の意図が入っている時点でそれはすべてポジショントークである。どういう意図があるか、それは…お察し下さい(汗。

■Chapter.3 人気ヒエラルキーのトップを目指そう!

□敵を知り己を知らば百戦危うからず
 ここからはカメラマンを捕まえるためにはどうしたら良いか、具体的に見ていこう。今までは問題点と現状を見てきたが、戦略を立てるには敵の傾向を知り、自分の対策を立てることが必要だ。
 ここでいう敵とは二種類いる。一つはターゲットとなるカメラマン。彼らの行動パターンと思考パターンを知っておくべきだろう。もう一つはヒエラルキーの上位にいる人気女子コスプレイヤーだ。彼女らが何故人気者として上位層に位置しているのか、その生態を分析し自分の現状と比較することが必要である。
 つまるところ、まともで上手いカメラマンを捕まえるためには自分も人気ヒエラルキーの上位層に上り詰めなければならない。人気コスプレイヤーになることで様々なカメラマンと交流する機会が増え、上手いカメラマンとの接点が生まれる。接点を作らなければそもそもチャンスもクソもないのである。
□ヒエラルキーの上位にいる人はどんな人
 まずは人気ヒエラルキーの上位層がどのようなものか、その人物像を知っておこう。例として筆者が知りうる限り一番クレバーでしたたかだったパターンの女子コスプレイヤーを紹介する。ここではその彼女のことを「まゆしぃ(仮)」と呼ぶことにしよう。ネーミングに特に意味はない。
□超時空コスプレイヤー まゆしぃ(仮)の場合
 オタク趣味が高じてコスプレを始めたまゆしぃだったが、この世界に入ってまもなく、ここが熾烈な競争社会だということを悟った。コスプレイヤーはただ衣装を着ているだけでは誰からも評価されない。写真を撮ってもらおうにもカメラ小僧ですら見向きしないのだ。
 この世界は人気度がモノを言う。まゆしぃはオタクの友達が欲しかっただけなのに、人気がなければそもそも人との出会いすら作れなかった。人気ヒエラルキーの下層にいると出会いなんてない。男すら寄ってこない。イベントに行っても常にぼっちである。華のあるコスプレのはずなのに、なんともいえない惨めな待遇だ。下層でくすぶっているとそのうち下流コスプレイヤーだけで集まって「ありえないよねーアイツら」と周囲に悪態を付くだけのクズに成り果ててしまう。そういう人たちを見てまゆしぃは「ああなってはいけないのです!」と強い危機感を覚え、人気ヒエラルキーの頂点に上り詰めなければならないと痛感したのだった。
 人気を得なければここでは話にならない。だが自分から積極的に人気を獲得するような営業活動は出来なかった。そもそもこの世界はコスプレイヤーから手当たり次第カメラ小僧に声を掛けて「まゆしぃの写真を撮って欲しいのです」とお願いするようなシステムではなかったのだ。カメラ小僧の人気を得るためには、カメラ小僧から「写真を撮らせて貰えませんか?」との声が掛かるのを待つしかなかったのである。そこでまずまゆしぃはカメラ小僧からの知遇を得ることから始めることにした。

 まず取り組んだことは、声を掛けてくるカメラマンの意図を理解し、それに出来る限り応えようとすることだった。一方的にキャラのポーズを決めるのでなく積極的に「どういうふうに撮るかまゆしぃに教えて欲しいのです」「まゆしぃにできることってあるかなー?」と聞き、意図を把握出来たときはその合図として大きく頷いたり、「それ面白いねー。えっへへー」と積極的にリアクションを返した。そして色っぽく、大人っぽく、クールに、ロリポーズで、などカメラマンの表現したい方向性に合わせて演出を精一杯アレンジした。囲み撮影など一度に大勢と面するときは、出来るだけ一人ひとりが撮影出来るように気を配った。

 そして一定の評価を得るようになると、まゆしぃは次の戦略に打って出た。次に取り組んだのは、コスプレを撮ってもらうときにその作品作りに自分なりのプラスアルファの付加価値を加えようと思ったのである。
 カメラマンと一対一の作品撮りの時はくどくならない程度にキャラに合わせたメイクを工夫したり、布の材質やパーツの細部にこだわって衣装を作り込んでみたりするなど、可能な限り完コスになるように努力した。また「眩しくても我慢するので肌がきれいに見えるように撮って欲しいのです」と女性ならでは視点で意見を言ってみたり、ときには「まゆしぃはこのようにして撮ってみたいのです」と生意気を言うようにした。出来るだけ努力が伝わるように、作品に出るように心掛けたのである。するとこれが功を奏し、あちこちから「写真キレイ」「まゆしぃ可愛い」と褒められ、注目されるようになっていった。

 さらに次の施策に出る。写真に評価の声が上がればすかさず「いえ、カメラマンさんが本物以上にキレイに撮ってくれたのです。まゆしぃはただカメラの前で立っていただけなのです」としれっとした顔で答えるのだ。写真をネットに載せるときも必ず「撮影:○○さま」というクレジットと感謝の言葉を添えた。本来はまゆしぃの多大な努力の結果であり、カメラマン側としては当然焦ったが、自分の評価も上がるので悪い気はしなかった。こうしてまゆしぃはカメラマンの株を上げることに尽力し、一方である種の「貸し」をあちこちで作っていったのである。

 この「カメラマンへの貸し」は強力に作用した。何人ものカメラマンの知り合いが出来、まゆしぃから撮影を頼める信頼関係も作ることに成功していた。またヒエラルキーの上位層に加わることで、自然と同じ上位層の人たちとの交流も増え、人気女子コスプレイヤー同士でオタク友達を作ることも出来ていた。気が付けば人気の頂点に上り詰めていたのである。
 まゆしぃが人気トップのコスプレイヤーになったからといって、嫉妬や批判の声が強くなることも無かった。もともとカメラ小僧から声が掛かるのを待つという基本的な部分は守っており、自分からガツガツと営業工作をしたわけではなかった。周囲に礼儀を尽くし、常に「相手を立て、相手の株が上がる」ことを心掛けたのである。
 元よりまゆしぃは自分の人気や評判にあまり興味がなかった。そんなものはあげてしまって構わなかった。人気ヒエラルキーの上位に加わることが出来ればそれで良かったのである。彼女が頂点を目指したのは、誰よりも注目されたいというような自己顕示欲などではなく、単に人気ヒエラルキーの下層の現実を目の当たりにして「ああなってはいけない」という危機感だけだった。まゆしぃはオタク友達を作りたかった。写真を撮って貰いたかった。ただその一心で一気に頂点に上り詰めてしまったのである。
□カメラマンの視界に入るために
 もう一度要点を整理しよう。まずはカメラマンたちとの接点を作らなければ、カメラマンと知り合うことは出来ない。コスプレを撮りに来ているカメラマン──多くはカメラ小僧だが──趣味としてこの活動をしているアマチュアである。だがこのアマチュアという立ち位置が非常に厄介なのだ。ある意味すべての行動決定権を自分で持っている。誰かの指図で撮影に応じなければならないというようなことはない。依頼されても撮影に応じるか応じないかは自分の気分次第なのである。要するに自分の撮りたい女の子以外は眼中にない。
 じゃあ美人なら無条件に視界に入るのか、というとそういう訳でも無い。いくら美人でも超絶美人レベルでなければ普通は断られるだろう。よく考えてみよう。新宿の雑踏で見知らぬ美人から声を掛けられたら、普通はキャッチセールスかどこかの宗教だと思うだろう。そもそも男から声が掛かるような美人から男に声を掛けること自体、ありえない状況である。相手にどういう腹積もりがあるのか図りかねる限り、アマチュアの特権である拒否権を発動するだろう。
 また上手いカメラマンの立場からすると、撮影の評判がある程度広がっている場合いろいろな方面の女子から撮影の熱烈アプローチが殺到しており、正直なところウンザリしていることが多い。自分の腕を買ってくれるのはありがたいことだが、アマチュアである限りは自分の好きなように撮影したいし、そのような人には既にたくさんのコスプレイヤーの知り合いがいる。撮るときは気心の知れた女の子に撮影を依頼するだろう。美人はもう間に合ってます状態だ。
 コスプレ初心者はこのような状況でカメラマンの知遇を得ていく必要がある。相手に拒否権がある以上は、その拒否権を発動しないで「撮ってもいいかな」と思わせる方向に持っていくのだ。自分の「撮って欲しい」という欲求を前面に出すのではなく、「カメラマンの撮りたい欲望」を膨らませる工夫をするのである。
□女は外見で舐められたら終わりだよってママが言ってた
 先ほどは美人であっても無条件で依頼を受ける訳ではないと書いたが、だからといって美しくなる努力を放棄していいという訳ではない。これまでも書いてきたようにブスは自動的に視界に入らない。カメラマンの視界に入り、なおかつ「撮ってみたい」と思わせるような美人であることは最低条件だ。一定レベル以上の美しさが上手いカメラマンと接点を持つためのパスポートなのである。
 という訳で、これを読んでいる女子コスプレイヤーに問うてみたい。美しくなる努力をしてますか? 美人かどうかなんてかなりテキトーなものである。大抵の場合、努力で一定レベル以上の美人になれてしまうものだ。
 努力なんかしなくても生まれつき美人、何もしなくてもカメラ小僧が寄ってくる、男に困ったことがないというようなコスプレイヤーは確かにいるだろう。だがそんなのは全体の1%くらいである。また逆にどんなに努力してもその一定レベルの美しさに到れない、コスプレの世界に居場所がないブスというというのも全体の1%くらいはいる。それは仕方がない。ルックス以外の分野で勝負するしかない。
 だが、世の中の98%は努力すれば一定レベルの美人になれるというグレーゾーンの立ち位置にいる。1%の生まれつき美人に敵わないからと最初から諦めてはいないだろうか? また、「努力なんか面倒くさい。努力出来るならとっくにしてるっつーの。なんかこう、努力が苦手な人向けのテクニックってないの?」という思考になっていないだろうか。一時期流行った「バナナを食べてお手軽ダイエット〜」みたいな考え方である。

直球で言おう。努力しないヤツは永久にデブでブスのままだ。

何も苦行に耐えろという訳ではない。美しくなるための習慣を楽しめるような感覚が身に付けば、いつのまにか努力が継続出来ていたりする。コスプレがビシッとキマってチヤホヤされる自分をイメージすれば割と楽しめるはず。ソース俺。半年間コスプレデビューするために日々努力を重ねたら、女性に間違われるほど魔理沙がキマってしまった筆者が言うんだから間違いない。詳しくは拙著『誰 も 引 い て は な ら ぬ ~女装男子研究本~』と『俺の女装がこんなに可愛いわけがない ~女装男子研究本2~』を確認して欲しい(ぉ。

 さて、専門書ではないのでさくっとポイントを列挙してみよう。多分「言われなくても分かってるよそんなこと!」という事柄だらけだと思う。

1,ダイエット(食事は普通に、有酸素運動で痩せる)
2,プロポーションの改善(くびれなど、キレイな身体のラインを)
3,美容(スキンケア、食習慣、十分な睡眠など)
4,メイク(自己満足ではダメ)

 まずダイエット。デブは論外としても、ある程度身体が細くないとコスプレは栄えないことが多い。コスプレの元ネタであるゲームやアニメのキャラクターは総じて標準的な体型よりも細身だからだ。頑張ってBMI値20ジャストは維持しよう。また逆に食事を抜くなど無茶なダイエットをしてる人が見受けられる。納得のいく体重だったとしても、骨と皮のような体つきではやはり男性ウケは良くないだろう。ある程度の筋肉を付け、代謝を上げたうえで有酸素運動をするのが望ましい。健康的な身体はそれだけで男性からも魅力的に映るものである。

 第二にプロポーションの改善だ。美人というと顔だけに注目しがちだが、身体のラインがキレイな曲線を描いているかどうかも重要である。というか男性は顔の良さよりもバストとウエストに立体的なメリハリのある身体の方がそそるものだ。盛れるものは盛る。絞れるものは絞る。どうせカメラマンの前で裸になる訳ではない。ダイエットでどうにもならない部分は胸パッド、コルセット、ヒップパッドなど文明の利器を駆使しよう。

 また発想の転換として、自分の体つきに似合うキャラを選択するという方法もある。身長が高ければそれにあった大人びたキャラ、低ければロリキャラという具合だ。具体例として『魔法少女まどか☆マギカ』の場合、キャラによって大分求められる体型が違う。

鹿目まどか…身長低め、体型太め、ウエストくびれ小さめ、少女体型
美樹さやか…胸控えめ、ウエストくびれ小さめ、細く少年のような体型
巴マミ………巨乳、ムチムチ、お姉さん体型
佐倉杏子……標準〜アスリートのような体型
暁美ほむら…身長高め、胸控えめ、細み体型、腰が高い、足が細く長い

要は自分の身体的特徴、体質と合うキャラのコスプレをすればより栄えるのである。まぁコスプレも趣味だから合わないものをやってはいけないという訳ではないが、カメラマンに撮りたいと思わせたい場合は頭の片隅に置いておこう。

 第三に美容。よくイベントの前日に徹夜で衣装を仕上げる女子コスプレイヤーがいる。準備に大変なのはもちろん分かるが、撮る側としてはその日の肌のコンディションが写真にモロ出てしまうので困ってしまう要因となる。出来ればしっかり睡眠を取って目のクマくらいは消しておこう。特にコスプレイヤーとカメラマンとは頻繁に会う訳ではない。短くても一週間、長ければ数ヶ月振りに顔を合わせることもあるだろう。日々の僅かな変化は分からないものだが、仮に3ヶ月振りに会うとしたら3ヶ月分の生活習慣の善し悪しによる変化が一気に見えてしまう。急に更けて見えることもあるので注意。

 最後にメイクである。メイクについてはわざわざ言及しなくても女子コスプレイヤーであればキレイになるべく日々努力しているだろう。あえて提案するとすれば、たまにはプロのメイクアップアーティストにメイクをお願いしてみることをオススメする。
 プロであれアマチュアであれカメラマンが女性を撮るに当たっては、ときどきプロのメイクさんにモデルのメイクを依頼することがある。馬子にも衣装というと失礼な話だが、自己流のメイクとプロのメイクとでは天と地の差ほどあるものだ。ときどき「え!? マジで同じ人?」と見違えるほど超絶美人になることも少なくない。というか、筆者はこのとき「美人って技術なんだな…」と悟ったものである。すぐに同じようにプロのメイクを再現出来る訳ではないだろうが、少しずつメイクの技を盗むことは出来るだろう。

 男の立場から散々偉そうなことを述べてきたが、端的に「努力しろ」ということである。世の中の98%の人は手段を知り、努力すれば美人になれる。現在美人ではないとしたら、それは自分の手抜きが原因だということだ。上記の4つが完璧に出来れば貴女の隠れファンもメロメロだ。え? いないよそんなの〜だって? いると思っておくんだよー、それがー美人のーひ・け・つ。
□美人なだけでは客は取れない世界──さらに何が必要か?
 美人であることは最低条件だ。ではカメラマンを捕まえるための十分条件に移ろう。ルックス以外の部分での魅力要素である。ある意味ここが一番のキモだといえるだろう。
 先ほどのまゆしぃ(仮)のストーリーでも端々に出てきたが、「自分のやりたいこと」「自分の利益になること」で行動するよりも「相手の望んでいること」「相手の利益になること」を汲んで行動することである。一言で言えば「相手を尊重する」ということだ。
 これは自分がやりたいこと、自分の利益を最初に考えてしまう人にはなかなかそのような考えにならない。大半のコスプレイヤーは自分がやりたいからコスプレしているのであり、カメラマンのためにコスプレしている訳ではないだろう。 だが世の中は恐ろしいもので、中にはまゆしぃ(仮)みたいな相手のためにコスプレしようとしてしまうコスプレイヤーがいる。そういう人はそもそも「自分のトクにならないじゃん」「なんでそんなことしなきゃいけないの?」という発想にならないのである。価値観が根本的に異なるとしか言い様がない。
 残された人たちが採るべき選択肢は、まゆしぃ(仮)のポイントを押え、意識的に相手を尊重出来るように自分を変えていくことだ。残念ながら相手によって正解が違う。だから「○○をすればOK」というような言い方は出来ない。抽象的なかたちになるがポイントは以下のようなものである。

・相手の望むことを汲み取る、出来ることなら協力する
・相手が望まないことを汲み取る、可能なら止める
・相手を立てる、認める、良いところを評価する
・さりげなく「貸し」を作る
・「貸し」はそのままにしておき、あとは一切気にしない
・礼儀やルールを守る

相手の言いなりになるという訳ではない。当然ながら貢ぐという訳でもない。潜在的な意味で相手が望むことではないからだ。「甘えさせる」と「甘やかす」の違いとでも言えばいいだろうか。
 相手を尊重するということは出来る人には無意識的に出来てしまう。出来ない人には意識していてもなかなか難しい。だが、結果的にそのような人たちが人気ヒエラルキーの上位に位置していることは確かであり、最終的にこういう発想になれるコスプレイヤーが上手いカメラマンの信頼を得られるのである。貴女は自分を変えられるだろうか?

■Chapter.4 捕まらないなら子飼いにすればいいじゃない

□上手いカメラマンの知遇を得るまでは至難の道のり
 さて、これまで論じてきた一連の流れが「まともで上手いカメラマンをゲットするための正攻法」である。端的にコスプレの世界はキャバクラのような仕組みであり、いいカメラマンと出会う接点を増やすためには人気ヒエラルキーの上位にいなければならない。だから外見と内面を磨きましょう、という話だ。
 逆に言えば、個別の「具体的にどう落とせばいいのか」という話は本書ではしていないともいえる。もしかしたら既に人気ヒエラルキーの上位に位置するコスプレイヤーで、カメラマンとの出会いや接点が多い人もいるかもしれない。ここでは少しだけ男性側のぶっちゃけトークをお教えしよう。

 正直な話、写真を趣味とする男性にとってコスプレの撮影は、まともな人であればあるほど大変な思いをする世界だ。まともで上手いカメラマンとして評価され始めると撮影依頼の一極集中状態になる。もちろん美人さんに囲まれるのは(最初は)悪い気はしないだろう。ハーレムでありデヘデヘ状態になるのは確かである。しかし女子コスプレイヤーに撮影を頼まれることが続くと、次第にお腹いっぱいという状態になってしまう。そのうち撮影依頼が「お楽しみ」から「お仕事」的な感覚になってくるのだ。そうなると「ごめんなさい。腕を買ってくれるのは嬉しいですが、私も趣味でやってるんでお知り合いだけに限定して撮ることにしてます」というスタンスになってくる。よくあるパターンだ。
 これだけでは終わらない。これまでに述べてきたようにコスプレは女性のえげつなさが前面に出る世界である。カメラマンが知り合いしか撮らなくなると今度は「あのカメラマンさんはアタシのもの」「はぁ!?頼んでも撮ってくれなかったのに、あの子は撮ってるってどういうこと!?」というコスプレイヤーの縄張り意識が出てくる。さらに「このカメラマンはお金持ってそうw」と踏むとコスプレイヤーの頼りたい度が増幅され、コキ使う方向に進むか個人的に落としたい方向にアプローチが進む。これはカメラマン側にも伝わる。露骨に伝わる。「コスプレは大人の社交場」として大人の付き合いをしたいカメラマン側にとっては非常に鬱陶しい。
 悪い連鎖はさらに進む。ある女子コスプレイヤーが特定のカメラマンに媚び始めると、今度はそれが女子同士だけでなく取り巻きのカメラ小僧にも伝わる。今度はそれが男性同士の嫉妬の方向に向かい、「あのカメラマンはコスプレイヤーに手を出して喰いまくってる」みたいな訳の分からない明後日の方向の噂となって波及する。ネットで事実とそぐわない悪口を書かれまくっているカメラマンなどもいるようだ。
 まともな人がこの界隈に入ってきただけで大抵この状態になってしまう。ウンザリするだろう。嫌気が差して早々に撤退するカメラマンが後を絶たない。結果的にコスプレイベントに顔を出し続けるカメラマンは「下手な人」「変な人」「スティンガー」──正確には「カメラ小僧」だが──が大半となる。まともで上手いカメラマンほど親しいコスプレイヤーしか撮らないか、コスプレ撮影そのものから隠居状態となっているのである。

 これは筆者の立場としては常識的な認識なのだが、コスプレ初心者の立場から「彼らと知り合い、撮影を頼める関係になるには?」と考えると非常に難しいというのが本音である。絶望的とまでは言わないが時間と手間をかけて地道に人脈を開拓するしかない。その確率を上げるために、外見と中身を磨いて魅力的なコスプレイヤーになる必要があるのだ。礼儀正しく可愛い女の子が三顧の礼を以て撮影を依頼してきたら、流石に折れない訳にはいかんだろう、という訳である。
□努力の限界の先にあるもう一つの方法
 とはいえ、どんなにスリムになっても、体型を補正しても、接客の技術を磨いても、化粧の技術を磨いても、それでも顔の造形が厳しい人も若干存在する。Chapter.3では世の中の99%は一定レベルの美人になれるとは書いたが、相当ハードルが高い人もなかにはいるだろう。そういった人たちの無念さは推して図るべしである。
 生まれつきの顔の善し悪しはあるだろうし、体質的に体型を変えられない人もいるだろう。残酷ながら人によって美貌を手に入れるためのスタートラインは異なるのである。努力しろと書いたものの、一方では努力の限界も確かに存在するだろう。
 「せめて並の外見なら…」と苦悩しなくとも、顔の造形はいじれなくても、コスプレ撮影を依頼出来るような、まともで上手いカメラマンを確保する方法が無いわけではない。
 逆の発想をしてみよう。努力によって人気ヒエラルキーの上位に立ち、上手いカメラマンとの接点を増やすことが難しいならば、最初から頼みやすい人を上手いカメラマンに育て上げてしまえばいいのである。
 唐突だが源氏物語第5帖「若紫」では、光源氏が10歳ほどの少女を策略で父親から奪い取り、理想的な女性に育て上げて自分の妻(紫の上)にするというストーリーがある。まぁ、よく腐女子がBL系で妄想するネタだが、これをカメラマンで実践しちゃうという作戦だ。名付けて「逆光源氏計画」である。ギャグみたいな話に聞こえるかもしれないが、意外と実用的であり、それ故よく見かけるパターンでもある。
□適当に男の子を見繕って育てる「逆光源氏計画」
 まともで上手いカメラマンの多くは既にこの世界から撤退しているか、知り合いしか撮らない隠居状態である。既に上手い人を捕まえるのが困難なら、下手な人のなかから気に入った同年代の男の子を捕まえて上手くなるまで育ててしまえばいい。以下その手法を提案する。

 まずは人材確保である。カメラについて初心者でもいいので、信頼出来るまともな人が望ましい。女子コスプレイヤーだと女友達が一番頼みやすいかも知れないが、ここは同年代の男の子を頑張って見付けよう。写真の腕を上げる為には勉強が必要であり、乗り気になるように仕向けるには男女の方が好都合だからだ。それに男性の方がメカモノとの親和性は高い。カメラにハマれば自分から進んで勉強してくれるようになるだろう。
 どうすればそのような人材を確保できるのか? 少なくとも前Chapterまでの努力をしていれば、コスプレに限らず実生活の様々な場面でオタク繋がりとして仲良くなれる男友達が出てくるはずだ。そのなかで多少なりとも写真に興味を持っている人を探し出し、カメラを持たせて、「とりあえず撮ってよ」とリードするのである。カメラ小僧になるような人はオッサンばかりと思われがちだが、博麗神社例大祭なんかを見ると高校生から大学生くらい活きのいいカメラ小僧ルーキーがいたりする。潜在的に「コスプレした女の子を撮ってみたい」という需要はあるだろう。

 次に教育だ。コスプレイヤー自身が撮影技術や写真のイロハを一から教える訳ではなく、本人に自分から上達したくなるように上手く誘導しよう。具体的には自分から「コスプレするから(下手でもいいから)撮って欲しい」とイベントに誘って場数を踏ませる。人気や美しさに関係なく、友達の女の子からコスプレ撮影を頼まれれば断られることは少ないだろう。
 最初は日の丸構図でライティングもメチャクチャ、ピンボケ&ブレブレのヘタクソな写真ばかりだろう。だが撮ってもらえたことをきちんと感謝しつつ、良いところや上達したところを見つけては褒め「ここがこうだともっと嬉しい」と次の到達点を提示するのである。、少しでも写真に興味がある男の子なら早速リベンジしたいと思うだろう。こちら側もイベントや本番撮影に限らず、プライベートで積極的に撮影練習に付き合ってあげればいい。女の子が積極的に練習を買って出てくれるなら、男の子は次第に写真にハマっていく。
 今はどのカメラも露出やピントは自動である。「コスプレイヤーのポーズ」「構図」「ライティング」などの基本が習得出来ればそこそこキレイな写真が撮れるようになるだろう。ヨドバシカメラに出向いて玄光社のムックを片っ端から読めば、少なくとも何をどう勉強すればいいのかが分からないという事態にはならない。写真の楽しさに気が付けばこちらがアドバイスしなくても勝手に勉強していくようになるはずである。

 ある程度のレベルまで上達してしまえばこっちのものだ。技術が身に付いてくると写真を撮ることが面白くなって、最終的に他のコスプレイヤーも撮りまくるようになってしまうかもしれない。だが様々な援助をして育ててもらった恩義がある以上、男の子カメラマンが離れていくようなことはない。頼めばいつでもキレイな写真を撮ってくれる専属カメラマンになってくれるだろう。
 この「光源氏作戦」は欠点として結構な期間と手間が必要だが、美人でない人に残されているもう一つの確かな方法なのである。
□美しい女性はこの手段が使えません(理由:男の勘違い)
 最後に注意事項を記しておこう。この方法は美人や人気のあるコスプレイヤーには使えない。美人度が中の下未満の女子限定の方法である。
 簡単な話だ。これは育てる対象となる男の子に恋愛感情が入ってしまうと泥沼化してしまうのである。撮影を頼む側の女子コスプレイヤーが美人でかつ誠実であればあるほど、「こいつ俺に気があるんじゃないのか?」と勘違いモードに入り撮影がそっちのけになってしまう。見栄や虚栄心が生まれてくると周りが見えなくなり、まともに成長出来なくなってしまうのである。
 そもそも美しい女性が信用第一でまっとうに行動しようとすると大抵面倒な事態になる。男性は勘違いし女性からは嫉妬を生む。美人は自分の容姿が周囲にどういう意味を持つか常に考えて行動なければならないのだ。わざわざ言われなくてもわかってるよそんなこと! 男はみんな下心丸出しのクズに決まってんじゃん! という声が聞こえてきそうだが(汗。
 という訳で、育てる男の子からは「そこそこブスで恋愛対象とは見ていないが、少なくとも女友達」と見られるようなサバサバした関係になること。これが「光源氏作戦」を成功させる為の必須条件である。ちなみに面白いからといって男の子に女装させて一緒にコスプレ写真撮ろうとか変態の道に引きずり込んだりしないように。最近この手の被害者が多いのよね…(何。

■おわりに

 いかがでしたでしょうか? 今回のテーマは、昨年筆者がコスプレするために初心者コミュニティで調べていた折「コスプレ初心者(恐らく若い女の子)はカメラマンと知り合いたいあまりに、言い寄ってくる見知らぬ人をどこか信用し過ぎている部分があって危なっかしいなぁ…」と気付いたことが出発点でした。
 一方で初心者の女性の立場から、カメラマンを見付けるにはどのような方法があり得るかを考えてみると意外と難しいんですよね。まともな人ほど隠居状態なので一般のコスプレイベントにはまず来ない。半分常連で半分新規参加のような撮影会サークルにちょくちょく足を運んで、少しずつ人脈を広げていかないとそういう人たちとは接点ができない。しかもちゃんと可愛くて気立てが良くないと撮影を頼むにしてもなかなか心理的距離が埋まらないという(汗。
 年始の申し込み時点ではカメラマンを「上手い・下手」「まとも・ヤバい」の4種類に分類して見分け方を伝授する内容を考えていましたが、よく考えたら「目当てのカメラマンを見付けても、撮って貰えなかったら意味ないじゃん!」という事実に気付き、自分を磨いて相手を惹き付けるという今回の内容になりました。久しぶりに毒舌の限りを尽くしたので、読者の反応がコワイというのが本音だったりします(汗。

 今回は半分以上が経験上の知識ベースの話なので、さくっと書いてしまえるだろうと踏んでいたのですが、予想に反して執筆は難航しました(汗。既にプロットが出来上がって書くべきことがハッキリしているのに「何だか筆が乗らないな…」という感覚のまま全然進まないという(大汗。
 原因は「女性はえげつない」「他人を平気で利用する」を事実として分かっていながら、書く内容として具体的にイメージしようとすると「いや、自分の経験上そんなことはなかった」と脳内メルヘン装置が作動して「幼気(いたいけ)な女の子がそう見えるよう振る舞うこともある」に変換されてしまうという(痛。そして書いてみたら元のプロットとズレが生じていて「あれぇ?」みたいな。
 つまるところ、筆者自身未だに女性にどこか幻想を求めている訳ですね。女性を悪く認識することを無意識的に回避してしまうという(ぉ。この防衛機制のお陰で無事5回目の修羅場を迎えることが出来ました。もういや。

 最後に謝辞を述べさせて頂きます。高崎かりんさん、素敵なイラストをありがとうございました。そして締切明日という無茶発注にも迅速に対応して頂きいくら感謝しても足りません。反省してます…。どっこいしょさん、素敵なイラスト(棒人間)をありがとうございました。直球で分かりやすい絵なので毎回助かってます。闘神都市Ⅲのメイン・ヒロイン描かせてゴメンナサイ。庶務部長さん、また今回も売り子(予定)よろしくお願いします。実のところ、あの巧妙なセールストークのお陰で筆者本人より有名だったりして(何。ののさん、最後の最後に誌面デザインの一番キツい部分をさせてしまいすみませんでした。次回からIllustrator実作業はこちらで出来るよう原稿は早めに仕上げますね(汗。そしてこれを書いてる締切間際(7月20〜21日)の猛暑を抑えてくれた台風6号に伝えたい、\宣/<ありがとう!そして、ありがとう!(コラ。

 今年は東日本大震災があり、福島原発問題があり、電力不足問題があり、東京都青少年条例の施行があり、何だかショッキングなことが頻発する年ですが、我らがほむほむとオカリンが時空をねじ曲げてきっと何とかしてくれるはず。また次回も痛い本でお会いしましょう。エル・プサイ・ほむほむぅ!

2011年7月某日 職場のiMacにて
(↑MacBook Proはまだお預け)
よろず評論サークル「みちみち」代表 みちろう

■奥付

【誌名】カメラ小僧の裏話4 まともで上手いカメラマンの捕まえ方
【発行年月日】2011年8月14日 コミックマーケット80 初版
       2013年8月11日 コミックマーケット84 第二版
【構成・執筆】みちろう,のの
【イラスト】高崎かりん,どっこいしょ
【編集】のの
【誌面デザイン】のの
【印刷】大陽出版株式会社
【発行サークル】みちみち
【発行責任者】みちろう
【ウェブサイト】http://miti2.jp
【連絡先】circle@miti2.jp

※本書内容の無断転載は固くお断りします。
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